延辺(読み)エンペン

日本大百科全書(ニッポニカ) 「延辺」の意味・わかりやすい解説

延辺
えんぺん / イエンピエン

中国東北地区中部、吉林(きつりん)省東部にある自治州。正称は延辺朝鮮族自治州で、州政府所在地は延吉(えんきつ)市。1955年に成立し、延吉、図們(ともん)、敦化(とんか)、琿春(こんしゅん)、竜井(りゅうせい)、和竜(わりゅう)の6県級市と汪清(おうせい)、安図(あんと)の2県を管轄する(2016年時点)。かつて清(しん)と朝鮮両国間で国境紛争が起こった間島(かんとう)地方にあたる。面積約4万3500平方キロメートル、人口213万6000(2015)。住民は朝鮮族、漢民族満洲(まんしゅう)族、回族、モンゴル族などであるが、朝鮮族の割合が高く、全体の35.8%(2016)を占める。

 州内には長白山地とその支脈が連なり、標高500~1000メートルの高原で、その間を第二松花江(しょうかこう)、牡丹江(ぼたんこう)、図們江などが放射状に流れる。東部の図們江およびその支流琿春河などの沿岸には河谷平野が広がる。生産物には、針葉樹材、紙(おもな産地は開山屯(かいざんとん)、図們、石峴(せきけん))、薬用ニンジン、鹿茸(ろくじょう)、間島米、アワ大豆、タバコ、石炭(和竜、琿春)、油母頁岩(ゆぼけつがん)(汪精)、銅・鉛(天宝山)、金(琿春)、農業機械(延吉)、綿、絹布食用油などがある。

[浅井辰郎・編集部 2017年7月19日]

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