図們(読み)ともん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「図們」の意味・わかりやすい解説

図們
ともん / トゥーメン

中国吉林(きつりん)省延辺(えんぺん)朝鮮族自治州中東部の県級市。人口12万3345(2013)。1965年延吉(えんきつ)県(現、延吉市)図們鎮と汪清(おうせい)県石峴(せきけん)鎮の一部を合併して市となった。北流する図們江(豆満江(とまんこう))と南東流する嘎呀(ガヤ)河の合流点の西側にあり、対岸の北朝鮮の南陽(なんよう/ナムヤン)と鉄橋で連絡する。また長図線(長春(ちょうしゅん)―図們)、牡図線(牡丹江(ぼたんこう)―図們)の両鉄道とも接続するので国内外の交通の要地である。チョウセンマツトウヒ、カラマツなどの木材を集散し、その一部は北方15キロメートルの石峴鎮にある製紙工場でパルプや新聞紙となる。

[浅井辰郎・編集部 2017年7月19日]

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改訂新版 世界大百科事典 「図們」の意味・わかりやすい解説

図們 (ともん)
Tú mén

中国東北部,吉林省東部の延辺朝鮮族自治州にあり,豆満江(図們江)西岸に位置し,東岸に朝鮮民主主義人民共和国を望む国境の県級市。人口13万(2000)。長図(長春~図們),牡図(牡丹江~図們)両鉄道の分岐点。もと延吉県図們鎮と汪清県石峴鎮とに分かれていたが,1965年合併,市制施行。ケイ石を産し,機械,化学,木材加工,製紙,ゴム,紡織等の工業が立地している。朝鮮民主主義人民共和国に通じる重要な門戸で,琿春市と共に環日本海貿易の基地としての発展が期待されている。
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百科事典マイペディア 「図們」の意味・わかりやすい解説

図們【ともん】

中国,吉林省東部の都市。延辺朝鮮族自治州南東部にある市で,図們江(豆満江)北岸に位置する。南は朝鮮民主主義人民共和国の南陽に対し,西および北へは長図(長春〜図們)・牡図(牡丹江〜図們)両鉄路があって交通の便がよい。住民の半分以上は朝鮮人。12万人(2014)。

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