弄くる(読み)イジクル

デジタル大辞泉 「弄くる」の意味・読み・例文・類語

いじく・る〔いぢくる〕【弄くる】

[動ラ五(四)]《「いじる」の俗な言い方》
指先でもてあそぶ。「髪の毛を―・るくせがある」
はっきりした方針目的もないのに、いろいろと手を加える。「原稿はかってに―・らないでくれ」
趣味として楽しむために、あれこれと手を加えたり、操作したりする。「車を―・るのが好きなんです」
[類語]まさぐるひねくるもてあそぶいじる

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「弄くる」の意味・読み・例文・類語

いじく・るいぢくる【弄】

  1. 〘 他動詞 ラ行五(四) 〙
  2. 指先でなでたりひねり回したりして、しきりにもてあそぶ。
    1. [初出の実例]「千松は庭へ下て雀を玩弄(イヂク)ッたり何かして居る」(出典落語殿様の廓通ひ(1890)〈禽語楼小さん〉)
  3. なぐさみに収集物や器械などをもてあそぶ。ちょっとした物事を手先で扱う。自分の場合にはへりくだる気持を含め、他人の場合には、やや軽べつの気持を含めていう。「数字をいじくる」
    1. [初出の実例]「君がこんな大造(たいそう)な長い刀を弄(イヂ)くると云ふのは、君に不似合だ」(出典:福翁自伝(1899)〈福沢諭吉〉雑記)
    2. 「斯う見えて盆栽も弄(イヂ)くるし、金魚も飼ふし」(出典:彼岸過迄(1912)〈夏目漱石〉風呂の後)
  4. はっきりした方針や目的もなく、または、部分的に物事にあれこれと手を入れて変えたり、動かしたりする。
    1. [初出の実例]「誠意のない彼等は事件の人間をさし置いて唯事件の当体をいぢくるばかりだ」(出典:道程(1914)〈高村光太郎〉或る宵)

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