御方様(読み)オカタサマ

デジタル大辞泉 「御方様」の意味・読み・例文・類語

おかた‐さま【御方様】

《「おかた」をさらに敬っていう語》
他人の妻を敬っていう語。お内儀さま。
「又さる人の―」〈仮・竹斎・下〉
他人を敬っていう語。深い敬意を表す。
貴様もよろづに気のつきさうなる―と見えて」〈浮・一代男・一〉

お‐かたさま【御方様】

[代]二人称人代名詞江戸時代敬愛の気持ちをこめて、多く女性が男性に対して用いた。あなたさま。
「すぎし年の五月に、竜右衛門小者を御からめくだされしは、―か」〈浮・男色大鑑・一〉

おかっ‐さま【方様】

《「おかたさま」の音変化》他人の妻を敬っていう語。奥様
「―釣ろよ」〈狂言記釣女

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「御方様」の意味・読み・例文・類語

おかた‐さま【御方様】

〘名〙 (「おかた(御方)」に接尾語「さま」の付いたもの)
① 他人の妻を敬っていう語。お内儀さま。元来深い敬意を表わす語であったが、江戸中期頃には、やや軽く使われるようになった。
仮名草子・竹斎(1621‐23)下「又さる人のおかたさま、身持になり給ふ」
② 他人をさしていう語で、深い敬意を表わす。遊女が用いた。
浮世草子好色一代男(1682)一「貴様もよろつに気のつきさうなるおかたさまと見えて」

お‐かたさま【御方様】

〘代名〙 (「お」は接頭語) 対称。江戸時代、多く女性が男性に向かって用いた。→方様(かたさま)
浄瑠璃三世相(1686)三「申わたしはな、荻野と申て御かたさまの母さまの妹ぶんにて候」

おかっ‐さま【御方様】

〘名〙 (「おかたさま」の変化した語。「さま」は接尾語) 他人の妻を敬って呼ぶ語。元来、尊敬度の高い語であったが、江戸中期には広く使われるようになった。おかっさん。
※狂言記・釣女(1660)「釣ろよ釣ろよ、おかっさま釣ろ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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