三世相(読み)さんぜそう

  • (通称)
  • San-shi-xiang
  • さんぜそう ‥サウ
  • さんぜそう〔サウ〕
  • さんぜそう〔サンゼサウ〕

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

歌舞伎狂言舞踊曲名本名題三世相錦繍文章 (にしきぶんしょう) 』。作詞3世桜田治助。作曲5世岸沢式佐。全段が常磐津節であることが特徴。安政4 (1857) 年江戸中村座初演。お園と六三郎の心中事件を題材に,愛想づかし,心中道行,冥土風景,子別れなど,さまざまな趣向を芸者お園の夢のなかで展開させる,江戸文芸のしゃれがきいた狂言。大当りとなったが,常磐津の豊後派と岸沢派の間で功名争いが起き,両派分裂の原因となった。
過去,現在,未来 (三世) の因果吉凶を仏教卜筮,陰陽五行のなどと各人生年月日人相などから解明できるとした考え。の袁天綱の創始にかかるといわれ,日本では,江戸時代,この考えを日常生活に必要な十干十二支,上弦下弦の月,日食月食,夢判じまじないなど 208項目について百科全書的に絵入りで解説した『三世相』という本が流行した。

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デジタル大辞泉の解説

仏教の因縁説に陰陽家(おんようけ)五行相生・五行相剋(そうこく)の説をまじえ、人の生年月日の干支(えと)や人相などから、三世の因果・吉凶を判断すること。また、それを書いた書物
人の吉凶・禍福などが循環して定まらないこと。

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大辞林 第三版の解説

生まれ年の干支えと・人相などをもとに、仏教の因縁説や五行相生・相剋の説を考え合わせて、人の過去・現在・未来の因果・吉凶などを判断すること。また、それを平易に解説した書物。 さる人に-見てもらひしに/浄瑠璃・生玉心中
歌舞伎「三世相錦繡文章にしきぶんしよう」の通称。世話物。三世桜田治助作。1857年江戸中村座初演。遊女お園と大工の六三郎の情話を脚色したもの。全幕にわたり常磐津を使用。お園六三。

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精選版 日本国語大辞典の解説

[1] 〘名〙
① 仏教の因果説と卜筮(ぼくぜい)の法と陰陽家の五行相生・相剋の説とを交え、人の生年月日・人相などから、過去・現在・未来にわたる三世の因果・吉凶・善悪を判断すること。また、それを説いた書物。唐の袁天綱の著をもととし、日本では江戸時代にその通俗書が多くでた。
※室町殿日記(1602頃)九「あるときもろこしよりも博士のわたりてさかいにしばらく滞留し、三世相をうらなひ、判をはんじける」
※浮世草子・渡世身持談義(1735)一「三世相(サンゼソウ)に書ける、前生にては赤帝の御子なり」
② 人の吉凶や禍福などがめぐりめぐって定まることがないこと。
浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)座摩社「手を引(ひき)主従三世相(サウ)。二世を兼たる妹背鳥忍び入るこそわりなけれ」
[語誌](一)①について、室町時代においては、占卜に関する書物一般を指す普通名詞は「雑書」であったが、江戸時代に入ると、この種のものの呼称としては、「三世相」が一般的になった。

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歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典の解説

歌舞伎・浄瑠璃の外題。
元の外題
三世相錦繍文章
初演
安政4.7(江戸・中村座)

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