循環取引(読み)ジュンカントリヒキ(その他表記)round-tripping

デジタル大辞泉 「循環取引」の意味・読み・例文・類語

じゅんかん‐とりひき〔ジユンクワン‐〕【循環取引】

A社からB社へ、さらにC社へと次々に商品を書類上だけで売買し、最後はまたA社へ戻る取引売買手数料はA社の負担となる。不正とされるが、売上を水増しすることで、増資融資など資金調達に有利になるとされる。

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共同通信ニュース用語解説 「循環取引」の解説

循環取引

複数企業間で、実際に商品を動かさずに、帳簿や伝票上だけで売買があったことを装う取引。売上高の水増しを主な目的として行われる。帳簿上、商品は取引に関わった企業の間を順々に回って、最初に売却した企業へ戻る形となる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「循環取引」の意味・わかりやすい解説

循環取引
じゅんかんとりひき
round-tripping

複数の企業が示し合わせ、商品の転売を繰り返すことで売り上げを計上する架空取引。転売目的で仕入れた商品をそのまま次の業者に流す「スルー取引」で売り上げをかさ上げすること自体は違法行為ではない。しかし、取引先と結託して架空の商取引を創作し、商品のやり取りがあるように伝票を操作することは粉飾決算であり違法である。循環取引により売上高を水増ししている上場企業は、有価証券届出書虚偽記載金融商品取引法違反となる。売上高を増やすことで「成長性が高い企業」などと見せかけ、金融機関の融資、株式・社債の価格や発行条件を有利に導くことが目的で行われる。また、企業の損失隠蔽(いんぺい)や決算対策として行われることもある。2013年(平成25)6月にはJASDAQ(ジャスダック)上場のゲーム制作・携帯コンテンツ会社インデックスが循環取引による粉飾決算の容疑で証券取引等監視委員会による強制調査を受けた。新聞報道によると、この循環取引には、関連会社や取引先100社以上が参加していた。通常の監査で不正を見つけるのは困難で、社員の内部告発により発覚することが多い。

[編集部]

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