徳丸村(読み)とくまるむら

日本歴史地名大系 「徳丸村」の解説

徳丸村
とくまるむら

[現在地名]鹿西町徳丸

西は能登部下のとべしも村、北東は同村の飛地縄手のうてかみ村に接しており、地籍は両村に囲まれて入組んでいる。中央を西往来が通り、上村に町並が続く。北の徳丸峠を越えて後山うしろやまへ通ずる道と、邑知おうち地溝帯を経て南東の久江くえ村・高畠たかばたけ(現鹿島町)へ通ずる道の分岐点。中世は能登部村に含まれたと考えられる。

天正八年(一五八〇)長連竜領となり、文禄二年(一五九三)の鹿島半郡高帳に村名がみえ、高八五石余。寛永五年(一六二八)の上野組半郡人別帳(戸部文書)には家数一八のうち百姓分四・侍下人並被官五・紺屋一・町人四・請田浪人四、牛馬一〇とあり、小規模な在郷町を形成している。寛文一一年(一六七一)の鹿島半郡高免付帳(長文書)によると高一六三石、免六ツ二歩五厘。同年加賀藩直轄領となり、延宝七年(一六七九)の村御印では高一八九石、免五ツ一歩、小物成として山役七匁・油役一一匁・苦竹役一匁・鳥役一匁(三箇国高物成帳)


徳丸村
とくまるむら

[現在地名]八東町徳丸

ひがし村の八東川対岸に位置し、若桜わかさ往来が通る。隣接して枝郷上徳丸村があり、それに対して下徳丸村ともよぶ(因幡志)。安元三年(一一七七)三月日の新興寺住僧等解案(新興寺文書)新興しんごう寺領の四至が記され、その東限は「金峯山金剛山峯得丸私部堺」であった。この「得丸」は当地のことであろう。永享九年(一四三七)八月一二日の守護山名熙高宛室町将軍家御教書(二尊院文書)に「因幡国得丸保」がみえ、同保を上臈御局の代官に沙汰付するよう命じている。文安元年(一四四四)一二月一八日の室町将軍家御教書(同文書)には「大御所御料所因幡国下得丸保」とみえ、管領畠山持国は「播州陣夫」の催促停止を守護山名熙高に命じている。長享三年(一四八九)九月一四日の山名豊時感状(北川家文書)によると同月五日「徳丸河原」で合戦があり、矢部北川与三左衛門尉は負傷しながらも敵を倒すという功名をたてた。年未詳七月一三日の山名豊国感状(丸屋家文書)にも「徳丸表」での合戦が記される。


徳丸村
とくまるむら

[現在地名]松前町徳丸

現松前町東南端の村。村域の東北を重信しげのぶ川が流れ、西は神崎出作かんざきしゆつさく村に接する。かつて重信川の河道の時期があったと思われるが、年代は不明である。早くから開発され、寛永一二年(一六三五)松山藩松平氏就封以来村名改変や分郷のなかった現松前町中四村の一である。村内に条里制の名残と思われる一丁地いつちようじ四反地したんじなどの地名があり、字宮浦みやのうらに式内社の高忍日売たかおしひめ神社がある。


徳丸村
とくまるむら

[現在地名]松任市徳丸町

五歩一ごぼいち村の南に位置し、東は乾垣内いぬいかくち村。中村なかむら用水の支流ひがし川が集落の東を南北に貫流する。中世には得丸とくまる保が成立。慶長一二年(一六〇七)六月の中村用水普請人夫ニ付達書(松任町史)に村名がみえる。正保郷帳では高六七〇石余、田方四一町五反余・畑方三町一反余。寛文一〇年(一六七〇)の村御印(新松任町史)では高六九五石、免五ツ九歩、小物成は油役八匁(ほか二四匁退転)、鳥役五匁(ただし鷹場につき免除)。寛文年間の家高数一五・百姓数二〇(高免付給人帳)


徳丸村
とくまるむら

[現在地名]前橋市徳丸町

北は房丸ぼうまる村、東はふじ川で那波なは西善養寺にしぜんようじ村、南は力丸りきまる村、西は端気はけ川で今宿いまじゆく村に接する。寛文郷帳に田方二八七石四斗余・畑方二一石一斗余とある。元禄二年(一六八九)には田方二二町六反余・畑方二町六反余(「検地帳」前橋市役所蔵)。寛政一二年(一八〇〇)には婚礼における奢侈、博打・勝負事を慎み、農業に精を出す誓約を代官所に差出している(下川淵村誌)。文政四年(一八二一)前橋藩善養寺領の百姓が年貢減免を訴願し、江戸越訴を企てたが、その内に徳丸村も含まれており、当村の処分者は入牢一・追放一であった(「勧農教訓録」林文書)


徳丸村
とくまるむら

[現在地名]吉井町徳丸

上宮田かみみやだ村の南東、筑後川に合流する隈上くまのうえ川下流左岸微高地に位置する。本高は三八石余(元禄国絵図)。「在方諸覚書」では古高七〇石・役高九三石。享和二年(一八〇二)の春免高帳では高九六石、文化四年(一八〇七)畝付帳では本田三町九反余・開田一畝余・畑田一町三反余・畑一町四反余・居屋敷八畝余。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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