徳山湾(読み)とくやまわん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「徳山湾」の意味・わかりやすい解説

徳山湾
とくやまわん

山口県瀬戸内海沿岸のほぼ中央にある湾入周南(しゅうなん)市の大島半島大津島に囲まれた良湾で、第二次世界大戦までは海軍要港であった。現在は湾岸一帯に県下一の出荷額をもつ巨大な石油化学コンビナートが発達し、徳山下松港(とくやまくだまつこう)は国際拠点港湾に指定され、年間貿易額は全県の約30%にも及ぶ。大島半島の太華(たいか)山、湾内の黒髪(くろかみ)島、大津島などは瀬戸内海国立公園の一部。

三浦 肇]

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改訂新版 世界大百科事典 「徳山湾」の意味・わかりやすい解説

徳山湾 (とくやまわん)

山口県の瀬戸内海沿岸中央部に位置し,東の大島半島と西の大津島に囲まれた湾。湾内には黒髪島,仙島などが浮かぶ。約50km2海域で,水深8~16m,湾口に30mの深所がある。第2次大戦までは海軍の要港であった。現在は湾頭の大規模な埋立地(周南市)に石油化学コンビナートが成立し,徳山下松(くだまつ)港として特定重要港湾に指定され,年間入港船舶数4万隻以上,総トン数約4000万トンの県下最大の港湾である。湾口の粭(すくも)島はフグ漁で知られ,湾内の黒髪島は全島黒雲母花コウ岩からなり,黒髪石の産地として有名である。瀬戸内海国立公園の一部をなす大島半島の太華山(362m)から徳山湾一帯の多島海景観と沿岸の工場群が展望できる。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「徳山湾」の意味・わかりやすい解説

徳山湾
とくやまわん

山口県南東部,周防灘に面する湾。大島半島および仙島,黒髪島,大津島などに囲まれ,大型タンカーが寄港する。第2次世界大戦前は海軍の要塞地域であったが,今日では湾奥の埋立地に石油化学コンビナートが立地し,徳山下松港として国際拠点港湾に指定されている。また,湾内ではカレイ,ヒラメ,タイなど漁業も行なわれる。周辺には同笵鏡三角縁神獣鏡を出土した御家老屋敷古墳で知られる竹島がある。黒髪島や大島半島を含め一帯は瀬戸内海国立公園に属する。

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