百科事典マイペディア 「石油化学コンビナート」の意味・わかりやすい解説
石油化学コンビナート【せきゆかがくコンビナート】
→関連項目京葉工業地域|産業公害
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コンビナート(kombinat)はロシア語で,歴史的には,革命後の旧ソビエトが工業建設の基本組織としてはじめて採用した異種産業に属する企業や工場を一地域に有機的に結合した形式をいう.現在では,発展した石油化学工業がこの典型的な例である.英語ではcomplexであるが,日本名ではロシア語をそのまま用いている.わが国では,鹿島,川崎,千葉・市原・五井,四日市,堺,水島,岩国,徳山,大分などに石油化学コンビナートが形成され,製油所およびこれと直結するナフサ分解センターが,原材料を供給する中心となっている.ナフサ分解センターは,製油所からナフサを受け入れてこれを熱分解し,エテン,プロペン,ブテン,ブタジエン,BTX(ベンゼン,トルエン,キシレン)などの石油化学工業原料を製造し,これらをパイプで直結するコンビナート内の多くの化学工場に送り,各種高分子モノマー,合成樹脂,合成ゴム,有機薬品,そのほか多くの石油化学製品が製造される.一方,コンビナート内には製油所と直結する火力発電所が設けられ,製油所から重油を受けてコンビナートおよび周辺地域の電力を供給している.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…これらを指してコンビナートと呼んでいる例もある。
[日本のコンビナート]
しかし何といっても,結合の技術的連関と地域的構造が最も明快なのは,日本では1950年代半ばころから発展しはじめた石油化学コンビナートであろう。これは図に示すように,ナフサ分解工場(エチレン・センターと呼ばれる)を中心に,そこからでてくる各留分を原料とする有機合成工場,そこへナフサを送りこむ石油精製工場がそれぞれ隣接して立地し,各工場間はパイプで連結され,それぞれの工場の製品は次の工場へ原料としてパイプで送りながら,文字どおり結合生産を行うのである。…
…そのなかでエチレン生産設備229万tの廃棄や塩化ビニル樹脂の共同販売会社の設立などが進められてきたが,決定的な解決策とはなりえていない。
【現代日本の石油化学工業】
日本の石油化学工業は,全国に15ヵ所あるエチレンプラントを中心とした石油化学コンビナート(エチレン・センター)をおもな生産基地としている。これらのコンビナートを構成している企業は,一貫メーカー,オレフィン・メーカー,誘導品メーカーの三つに分けることができる。…
※「石油化学コンビナート」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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