大津島(読み)おおつしま

日本歴史地名大系 「大津島」の解説

大津島
おおつしま

[現在地名]徳山市大字大津島

徳山湾の南西部にある南北に長い島で、戸田へた村の沖にあたる。徳山藩領。

元和五年(一六一九)三月一七日付の井原元以への毛利秀就の宛行知行目録(「閥閲録」所収井原大学家文書)に「四拾弐石壱斗四升七合 (都濃)郡大津嶋」とある。本来は富田とんだ郷の一部であったらしく、寛永三年(一六二六)の熊野帳では、富田の枝村として大津島とあり、毛利就隆給領地とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「大津島」の意味・わかりやすい解説

大津島
おおづしま

山口県南部、徳山湾西口にある島。周南(しゅうなん)市に属する。面積4.73平方キロメートル。近世初期は富田(とんだ)の枝村で、のち一村となって徳山藩領であった。第二次世界大戦中は徳山軍港の一部で、人間魚雷回天」の基地があった。「回天」にかかわる資料を展示した回天記念館がある。沿岸には石工の村瀬戸浜、刈尾(かりお)、農村本浦、天ヶ浦、漁村の柳ヶ浦、馬島などの小集落がある。島の一部は瀬戸内海国立公園区域に指定されている。馬島港と徳山港の間に定期船がある。人口264(2009)。

三浦 肇]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「大津島」の意味・わかりやすい解説

大津島
おおづしま

山口県南東部,徳山湾口の西部にある南北約 7kmの細長い島。かつての徳山市,現周南市に属する。第2次世界大戦中は徳山軍港の一部で,人間魚雷の基地があった。現在回天基地跡,回天記念館がある。スイカ水産物が主要産物。北東部は花崗岩産地で刈尾は石工の村である。南の陸繋砂州の馬島が漁村のほかは農村。本土へ船で通う出作は島の土地の狭さを物語る。徳山港から定期船の便がある。面積 4.73km2。人口 536 (2000) 。

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デジタル大辞泉プラス 「大津島」の解説

大津島

山口県周南市、徳山港の南西沖約10キロメートルに位置する周南諸島の島。面積約4.73平方キロメートル。第二次世界大戦末期に特攻兵器“回天”(いわゆる人間魚雷)の発射訓練が行われた島で、戦死した隊員たちの遺品などを展示する「回天記念館」がある。

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世界大百科事典(旧版)内の大津島の言及

【徳山[市]】より

…近年の10年間の人口推移(11.2万から10.8万へ)はやや減少傾向。風光にすぐれた徳山湾を囲む大島半島の太華山(362m)や黒髪島は瀬戸内海国立公園の一部をなし,第2次大戦中特殊潜航艇(人間魚雷〈回天〉)基地のあった大津島には回天記念館がある。【三浦 肇】
[歴史]
 1617年(元和3)毛利輝元は,次男就隆に都濃郡と熊毛郡で3万1400余石を分知した。…

※「大津島」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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