デジタル大辞泉 「心行」の意味・読み・例文・類語 しん‐ぎょう〔‐ギヤウ〕【心行】 仏語。1 心のはたらき。2 浄土教で、安心あんじんと起行きぎょう。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「心行」の意味・読み・例文・類語 こころ‐ゆき【心行】 〘 名詞 〙① 気持が十分に晴れ晴れすること。満足すること。快心。会心。[初出の実例]「いかにせんと、さすがに思嘆きつる心の中、思ふ事なく心ゆき増して、人知れず、上下の人求め集めて」(出典:狭衣物語(1069‐77頃か)一)② 心の向かい方。心の向く方向。心の持ち方。気立て。心いき。[初出の実例]「人の親たるもの、子を大切に思ふ余りに、子の心行あしき事あれば、腹立の顔色をなす」(出典:集義和書(1676頃)一五)③ 俳諧で、貞門の物付に対し、前句全体の意味によって付ける談林派の心付をいう。[初出の実例]「此心行(ユキ)を双方とくと合点めされふ」(出典:俳諧・二つ盃(1680)) こころ‐ゆかせ【心行】 〘 名詞 〙① 心を晴れさせること。気晴らし。心やり。心ゆかし。[初出の実例]「討てたむけん敵はなし、せめては少の心ゆかせとやいばをあてて候也」(出典:浄瑠璃・弱法師(1694)一)「さういって密に自分だけ溜飲を下げることが当時のかれとして出来るせいぜいの心ゆかせだった」(出典:春泥(1928)〈久保田万太郎〉三羽烏)② 細かい所まで気を配ること。心遣い。[初出の実例]「爰に妹の袖頭巾、心(ココロ)ゆかせに、面を隠して」(出典:歌舞伎・蝶々孖梅菊(1828)二幕) しん‐ぎょう‥ギャウ【心行】 〘 名詞 〙 仏語。① 心または思慮分別などのはたらき。また、心持、料簡などの意にも用いる。[初出の実例]「則言語断而、心行滅」(出典:教行信証(1224)六)「この一日聖賢の心行なり」(出典:十善法語(1775)八)② 浄土教で説く安心(あんじん)と起行(きぎょう)。[初出の実例]「天親菩薩のみことをも、鸞師ときのべたまはずは、他力広大威徳の、心行いかでかさとらまし」(出典:三帖和讚(1248‐60頃)高僧) こころ‐ゆかし【心行】 〘 名詞 〙 =こころゆかせ(心行)①[初出の実例]「是や此待たれ待たれて蜀魂心ゆかしのさ夜の一声」(出典:林葉集(1178)夏)「サアサア斯してなりと盃さすのが。せめてもの心ゆかし」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)野崎村) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例