思い立ったが吉日(読み)オモイタッタガキチジツ

デジタル大辞泉 「思い立ったが吉日」の意味・読み・例文・類語

おもったが吉日きちじつ

何かをしようという気持ちになったら、その日が吉日と思ってすぐに始めるのがよい。思い立つ日が吉日。

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ことわざを知る辞典 「思い立ったが吉日」の解説

思い立ったが吉日

思い立った日が吉日と考え、さっそく実行せよ。何かする決心をしたら、その日のうちに取りかかるのがよい。

[使用例] 「一度、人間ドックへ入ったら?」〈略〉「ありがとう。その内にね」「だめよ、そんなこと言ってたら、いつまでもやらないわ。――いいわ、私、予約入れちゃう。明日行って」「おい……」「思い立ったが吉日。ね、一日の差で、手術しなくてすむかもしれないじゃない」[赤川次郎恐怖報酬|2000]

[使用例] 「新聞の書評か何かで、先生の「一休」というご本のことを知り、早速買って読んで、これまたいつもの伝で大感激。この森女という盲人の旅芸人の役を、ぜひやってみたいと思いたったが吉日とばかり、早速電話に飛びついて、その旨を先生にお話ししたという次第だったのです[吾妻徳穂*踊って躍って八十年|1988]

[解説] 「吉日」は縁起のよい日のこと。このことばの背景として、陰陽道にもとづく暦にしたがい、吉日を選んで事を行う風習がありました。凶となる日は行動をひかえなければならず、また方角によっても吉凶が細かく決められていたのです。しかし、そんなことをしていると、その間に思わぬ支障が生じないともかぎらず、そのうち最初の意気込みも薄れて、結局、実現できなくなることも少なくありません。ことわざは、そんな暦の上の吉凶にまったくこだわらず、思い立ったその日こそ「吉日」であると発想を逆転させ、最初の一歩を踏み出せない者の背中を押してくれます。
 謡曲唐船」(一六世紀中期)に「思い立つ日を吉日」とする用例がありますから、戦国時代から使われていた表現といえるでしょう。

[類句] 善は急げ〔悪は延べよ〕/好機逸すべからず

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