デジタル大辞泉
「性淘汰」の意味・読み・例文・類語
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性淘汰
せいとうた
sexual selection
雌雄淘汰,雌雄選択ともいう。異性にとって魅力的であるために進化したと考えられる形質の淘汰の現象。例としては雄クジャクの尾羽,ライオンのたてがみ,シカの角などがある。 C.ダーウィンが初めて提唱した説である。現在では,雄での形質発現について性ホルモンの影響なども明らかとなり,動物行動学的な研究も進んで,この考えの裏づけとなっているが,形質が極端になって一般的な生活にかえって不利になっている場合などをどう考えるか,問題が残っている。
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性淘汰【せいとうた】
雌雄淘汰,性選択とも。一方の性(たいていは雄)に特有の形質を発達させる淘汰。クジャクの羽やライオンのたてがみ,シカの角や鳥のさえずりなどの雄に特有の形質の進化を説明するためにC.ダーウィンが提唱。雄または雌どうしの異性を巡る同性間淘汰と,異性の配偶者選択による異性間淘汰があり,配偶者選択については古くからさまざまな仮説が提出されている。現代では雄の形質と雌の選り好みが加速度的に強化されるとする〈ランナウェー説〉や,生存に不適切な形質を発達させて自らの強健さを雌にアピールしているとする〈ハンディキャップ説〉などが代表的なもの。
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知恵蔵
「性淘汰」の解説
性淘汰
クジャクやシカのように雌雄で著しく色彩や形態・生態が異なる動物について、その進化を説明するためにC.ダーウィンが提唱した概念。異性をめぐる闘いで、より優れた武器(角や牙など)をもつ方が勝って交尾し、子孫を残すことによってその武器が進化するような同性間淘汰と、配偶者(主に雌)がより顕著な形質をもつ交尾相手(雄)を選択することにより進化する異性間淘汰とが考えられる。配偶者の選択の理由については、ランナウェイ説やハンディキャップ説などの理論モデルがある。
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世界大百科事典(旧版)内の性淘汰の言及
【自然淘汰】より
… この個体変異の少なくとも一部が,遺伝的なものであることは明らかな事実であるということから,生物の進化を説明しようとしたのが進化要因論としての〈自然淘汰説〉である。一方,ダーウィンは,多くの動物に見られる雌雄二形(性的二形)を上記の狭義の自然淘汰のみで説明することはできないと考えて,つがい相手をめぐっての雄どうしの競合(今日では雌による特定の雄の選択のほうが重要視されているが)に基づく雄の授精確率の不平等性を推論して,この過程を雌雄淘汰(性淘汰)と呼んだ。雌雄二形の一部は,狭義の自然淘汰の結果として説明できることがその後明らかになって,一時は雌雄淘汰という概念は不必要だとされたこともあったが,今日では再びその必要性が認められている。…
※「性淘汰」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」