デジタル大辞泉
「恒星状天体」の意味・読み・例文・類語
こうせいじょう‐てんたい〔コウセイジヤウ‐〕【恒星状天体】
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恒星状天体【こうせいじょうてんたい】
クエーサー,準星,QSO(quasi-stellar objectの略)とも。電波を放射する恒星状電波源(QSS)と,電波をほとんど放射しない恒星状銀河(QSG)がある。天体写真乾板上で恒星のように見えるが恒星ではなく,スペクトル写真で見るとガス状天体特有の輝線が見られ,それが著しく赤い方へずれた(波長が伸びている)天体である。これをドップラー効果と解釈すれば,光速度の十数%〜90%もの速度で遠ざかっており,銀河の速度と距離の比例関係が成り立つならば20億〜140億光年遠方の天体ということになる。これから考えると恒星状天体の明るさは銀河の100倍以上(太陽の約100億倍)あり,しかも大きさは銀河よりはるかに小さい。1963年ころから発見され,約1500個が知られている。恒星状天体は全く予想されなかった異常な天体で,その本質は,太陽の10億倍程度の質量の超大なブラックホールが中心にあり,恒星またはガスがこのブラックホールに引きつけられるときに解放される重力エネルギーが電波や粒子の加速に変換されるものと考えられる。
→関連項目電波天文学
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こうせいじょうてんたい【恒星状天体】
準星,クエーサーquasar,QSO(quasi‐stellar objectの略)とも呼ばれる。QSOを,電波を放射している恒星状電波源QSS(quasi‐stellar radio sourceの略)と,電波をほとんど出していない恒星状銀河QSG(quasi‐stellar galaxyの略)に区別することもある。天体写真乾板上で星のように(すなわち角度で1秒以下の大きさ)見えるが,星ではない。
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