惑星間物質(読み)ワクセイカンブッシツ(その他表記)interplanetary matter

デジタル大辞泉 「惑星間物質」の意味・読み・例文・類語

わくせいかん‐ぶっしつ【惑星間物質】

太陽系内の惑星間空間に存在する微細な個体粒子彗星太陽が放出するガス荷電粒子などの総称。特に粒径の小さい固体粒子は惑星間塵と呼ばれる。

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改訂新版 世界大百科事典 「惑星間物質」の意味・わかりやすい解説

惑星間物質 (わくせいかんぶっしつ)
interplanetary matter

太陽系の惑星の間の空間に,無数に存在している微小な固体粒子,すい星などが放出するガス,太陽から放出される荷電粒子などをいう。とくに微小な固体粒子は惑星間塵と呼ばれる。粒径が1mm以上のものが地球大気に突入すると流星となるが,圧倒的に多いのは粒径が0.1mm以下のものである。惑星軌道面に沿って分布しており,これらが太陽光を散乱して生ずる現象が,黄道光対日照である。惑星間塵の研究は,主として黄道光の精密観測によって行われるが,近年では惑星間を飛ぶ人工天体による直接測定も行われている。塵の空間密度は,太陽からの距離の1.3乗に逆比例して,外側に向かって減少しており,地球の軌道付近では,1辺が100mの立方体の空間内に1個の割合で存在している。惑星間塵は,惑星と同様に太陽の周囲を公転しているが,微小な粒子であるから,その運動は太陽の引力のほかに,太陽の光圧影響もうけて,ポインティング=ロバートソン効果でしだいに太陽に近づいていく。それとともに温度が上昇し,太陽半径の4倍くらいの距離で昇華おこり,それ以上は太陽に近づくことができない。その境界には,昇華中の塵が一時的に滞留するので,太陽をとりまく塵の雲ができていると考えられる。また1983年には,アメリカの人工衛星IRASが,小惑星帯付近に,大きく太陽をとりまく塵の雲を発見した。惑星間塵は,すい星がまきちらしたものという説と,小惑星どうしの衝突でできたものという説があるが,まだよくわかっていない。
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百科事典マイペディア 「惑星間物質」の意味・わかりやすい解説

惑星間物質【わくせいかんぶっしつ】

太陽系の惑星の間の空間に存在する微小固体粒子やガス,荷電粒子などの総称。特に微小な固体粒子は惑星間塵という。大多数は粒径0.1mm以下。太陽光を散乱して黄道光対日照(たいじつしょう)を生じる。惑星間塵は太陽のまわりを公転しているが,微小なため太陽の光圧の影響を受け,しだいに太陽に近づいていく(太陽半径の約4倍の距離まで)。

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