感情論(読み)カンジョウロン(その他表記)treatise on sentiments

デジタル大辞泉 「感情論」の意味・読み・例文・類語

かんじょう‐ろん〔カンジヤウ‐〕【感情論】

理性によってではなく、感情によってなされる議論。「感情論に走る」

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精選版 日本国語大辞典 「感情論」の意味・読み・例文・類語

かんじょう‐ろんカンジャウ‥【感情論】

  1. 〘 名詞 〙 理知によらないで、感情にかたよった議論。感情によってなされる議論。

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改訂新版 世界大百科事典 「感情論」の意味・わかりやすい解説

感情論 (かんじょうろん)
treatise on sentiments

広義の感情についての理論的な考察。広義の感情のなかには,情動情念,それと狭義の感情が含まれるから,感情論には,情動(情緒)論や情念論も含まれることになる。そこで,情動と情念と感情の区別であるが,まず情動とは,身体的なものにまで影響を及ぼすような強い感受的状態のことである。これに対して情念とは,情動がさらに強まって永続化し,われわれの生の自然の流れがせきとめられて苦悩にさらされている状態である。そしてさらに感情とは,統御され自覚された情念のことである。このように情動,情念,感情には区別があるが,感情論が情念論や情動論の形をとるのは,広義の感情に対しどのような角度からの理論的考察を行うかによって決まるのであって,対象とする領域の違いによるのではない。広義の感情の問題は,人間の歴史とともに古いが,永い間なかなか理論的な考察の対象となりえなかった。その点で感情が心と身体の相関関係の問題として対象化されるためには,それをとらえる理性がはっきり人間的なものになることがどうしても必要であった。人間的理性の哲学者デカルトとともに感情(情念)の問題が自覚的にとり上げられたのは,そのような事情からであった。スピノザの感情論,D.ヒュームの感情論,サルトルの情動論は,それぞれに異なった立場に立ちながらも,いずれもデカルトの開いた道の上に出てきたものである。
感情
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