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慢性糸球体腎炎(慢性腎炎) まんせいしきゅうたいじんえんまんせいじんえんChronic Glomerulonephritis

家庭医学館の解説

まんせいしきゅうたいじんえんまんせいじんえん【慢性糸球体腎炎(慢性腎炎) Chronic Glomerulonephritis】

[どんな病気か]
 子どもの慢性糸球体腎炎とは、糸球体に慢性的な変化、すなわち、もとにもどらない組織変化があるものをいいます。腎臓の細胞をとって調べる腎生検(じんせいけん)で、組織の変化や障害の程度を確認したうえで、いくつかの腎炎のタイプに分類し、それにより予後や経過が予測されます。
 慢性糸球体腎炎は、糸球体に組織学的変化があるため、尿に赤血球(せっけっきゅう)やたんぱくがもれ出てきます。
 腎生検で組織を確認しなくても、血尿(けつにょう)などの尿の異常が1年以上続いたときは、慢性糸球体腎炎と考えることもありますが、いずれにしろ治りにくい腎炎の総称であるといえます。
 子どもによくみられる慢性糸球体腎炎の病型には、大きく分けるとつぎのようなものがあります。
■IgA腎症(アイジーエーじんしょう)
 糸球体の血管と血管の間にあり、たいせつなはたらきをしているメサンギウム細胞が増殖(ぞうしょく)し、かつ免疫(めんえき)にかかわるたんぱくの1つである免疫グロブリン(IgA)が沈着している腎炎を、IgA腎症といいます。
 この病気は、組織の障害度によって予後はさまざまです。放っておいても2~3年でよくなるものから、ゆっくり腎不全(じんふぜん)へ進行するものまであります。学校健診時の検尿で見つかる腎炎の30~40%はこのタイプといわれます。かぜをひいたときに突然、尿の状態が悪くなり、肉眼的血尿発作(にくがんてきけつにょうほっさ)をくり返すことも特徴です。
 有効な治療法は確立されていませんが、腎炎一般での治療に準じて、ステロイド、免疫抑制薬、抗凝固薬(こうぎょうこやく)、抗血小板薬(こうけっしょうばんやく)が用いられています。
 子どもの場合は、おとなとちがって、ゆっくり自然によくなっていくことが多いといわれています。
■膜性増殖性糸球体腎炎(まくせいぞうしょくせいしきゅうたいじんえん)
 びまん性に(広い範囲にわたって)、糸球体毛細血管壁(もうさいけっかんへき)の肥厚とメサンギウムの増殖を示す腎炎で、予後は悪いと考えられていましたが、最近、ステロイドや抗凝固薬が有効なことが確かめられつつあります。組織学的重症度の低い巣状型もあることが知られています。
■膜性腎症(まくせいじんしょう)
 たんぱく尿がおもな症状で、ときにネフローゼ症候群(「特発性ネフローゼ症候群」)の型で現われることの多い腎炎です。
 腎不全(じんふぜん)に進むことはないか、まれにあってもゆるやかなので、ネフローゼ症候群を示さないときは、治療せずにようすをみることもあります。
■巣状糸球体硬化症(そうじょうしきゅうたいこうかしょう)
 難治性(なんちせい)のネフローゼ症候群を呈し、比較的短い経過で腎不全におちいりやすい腎臓病です。
 残念ながら、現在、確実といえる治療法はありません。

出典 小学館家庭医学館について 情報

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