普及版 字通 「憚(漢字)」の読み・字形・画数・意味
憚
15画
[字訓] はばかる・いむ・おそれる・いかる
[説文解字]
[金文]
[字形] 形声
声符は單(単)(たん)。〔説文〕十下に「忌み(はばか)るなり」とし、「一に曰く、(はばか)るなり」とする。〔左伝、昭十三年〕「之れを憚(おど)すに威を以てす」とあり、受身だけでなく、能動の意もある。弾(だんがい)のような悪邪を祓う法とも関係のある語であろう。〔楚辞、招魂〕「君王親しく發して、(せいじ)を憚(おそ)れしむ」とあり、弾射によって憚れさせることをいう。
[訓義]
1. はばかる、いむ、おそれる、なやむ、うやまう。
2. いかる、おそれさせる。
3. おどす、おびやかす、おいはらう。
4. やむ、つかれる、おびえる、あやぶむ。
5. 怛と通じ、いたむ。
6. 単と通じ、おおきい。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕憚 イカル・ハバカル・ハバム・カタシ・オボカス・オボク・アシカル・オソル・カヨフ・イタムル 〔字鏡集〕憚 ムツカシ・カタシ・ハバム・カヨフ・アシカル・イタハル・オドロク・ハバカル・サキ・オソル
[語系]
憚・彈(弾)danは同声。また怛tat、戰(戦)・顫tjianは声義の関係のある語で、怛は驚き恐れる意、戰・顫(せん)は慄えおののく意である。
[熟語]
憚畏▶・憚悪▶・憚改▶・憚赫▶・憚忌▶・憚懾▶・憚人▶・憚▶・憚難▶・憚煩▶・憚避▶・憚服▶・憚漫▶・憚労▶
[下接語]
畏憚・回憚・危憚・忌憚・疑憚・驚憚・敬憚・厳憚・猜憚・憚・懾憚・心憚・深憚・尊憚・内憚・忿憚・憂憚
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報