今神温泉(読み)いまがみおんせん

日本歴史地名大系 「今神温泉」の解説

今神温泉
いまがみおんせん

[現在地名]戸沢村角川

長倉ながくら川の上流今熊いまくま(五七三メートル)東麓にある。元文四年(一七三九)の今熊野大権現略縁起(斎藤文書)などによれば神亀元年(七二四)村人早坂新九郎らが霊熊を追って山中に入り発見したと伝える。かつての月山登拝路(角川口)道筋にあたり、三山行者の湯垢離をとる行場と目されていた。新田本村鑑によると夏季のみ開かれ、宿所は柴垣小屋で、「入湯の者者一心に信心を発起し精進潔斎して内(々カ)清浄に身をきよめて浴すれは」どんな難病でも平癒するが、不浄の者が入浴すれば、山中より多くの蛇が出て退散させられると記す。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「今神温泉」の意味・わかりやすい解説

今神温泉
いまがみおんせん

山形県中北部、最上(もがみ)郡戸沢村にある温泉。奈良時代発見との伝説がある古い宗教的養療温泉場。浴場に今熊野三所大権現(だいごんげん)を祀(まつ)り、浴客はろうそくを神前に捧(ささ)げ、白布腰部にまとって念仏を唱えながら入浴する。宿は1軒だが休業中。塩化物泉。近くに神域の今神御池や今熊山がある。JR陸羽西線古口(ふるくち)駅から南方16キロメートル。

中川 重]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「今神温泉」の意味・わかりやすい解説

今神温泉
いまがみおんせん

山形県北部,戸沢村の南部,今熊山麓長倉川の渓流に沿って湧く一軒宿の温泉。泉質食塩泉。泉温は 36℃。浴場内に今神三社権現をまつり,腰に白衣をまとい合掌して念仏をとなえながら入浴する奇習がある。胃腸病,皮膚病に効能があり,湯治客が多いが,積雪のために夏季のみ営業。

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デジタル大辞泉プラス 「今神温泉」の解説

今神温泉

山形県最上郡戸沢村、県中北部、今熊山の東麓にある温泉。かつての月山登拝路にあり、月山詣の湯垢離場(ゆごりば)だった。現在は休業。

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