六訂版 家庭医学大全科 「扁桃悪性リンパ腫」の解説
扁桃悪性リンパ腫
へんとうあくせいリンパしゅ
Malignant lymphoma of the tonsil
(のどの病気)
どんな病気か
扁桃は上皮とリンパ組織が混在する部位(図12、図13)で、免疫の重要な役割を果たしています。そのリンパ組織から発生する悪性腫瘍が扁桃悪性リンパ腫です。
扁桃のなかでは、
症状の現れ方
悪性リンパ腫では、強い痛みを感じることが少ないのが特徴です。初めの症状としては口蓋扁桃の
多くの場合、
検査と診断
診断を確定するには、腫瘍から組織を少量採取して顕微鏡で観察する組織診断が重要です。また病期診断には、全身器官への浸潤の有無を確認するために、肺、
以上の検査結果を総合して、病気の進展範囲を決定します。
治療の方法
病気の進展度によって治療法が若干変わりますが、基本的には放射線療法と化学療法を組み合わせて行うほうが、単独療法より高い治療効果が得られます。
悪性リンパ腫の予後は臨床病期、組織型および細胞型によって大きく異なります。一般に、B細胞型はT細胞型に比較して予後は良好です。再発はリンパ節、消化管に多くみられるので、定期的な診察、検査が必要です。
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報