手放・手離(読み)てばなす

精選版 日本国語大辞典 「手放・手離」の意味・読み・例文・類語

て‐ばな・す【手放・手離】

〘他サ五(四)〙
① 手に持ったものをはなす。
※俳諧・犬子集(1633)一七「白き物こそ黒くなりけれ 手はなした継尾の鷹は夜籠りて〈徳元〉」
② 所有物を売ったり他人に与えたりする。
仮名草子東海道名所記(1659‐61頃)一「銭をかふには金銀を手ばなし」
※思出の記(1900‐01)〈徳富蘆花〉六「彼(かの)屋敷を手離すを余程残念に思ったと見へて」
③ 勝手にさせる。自由にさせる。突き放す。手許にいた者をその監督・保護から放す。
浄瑠璃・用明天皇職人鑑(1705)四「親は是を誠と思ひ娘を手ばなす物ならば」
※合巻・蝶双春花壇(1834)上「他(わき)へ、相談して見やせうよと、手放(テバナ)した挨拶に」
遠慮会釈なく思い切ってする。
⑤ 仕事などを一時やらないでおく。
※二人女房(1891‐92)〈尾崎紅葉〉中「別に手離されない用事もないのでせうから」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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