病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版 の解説
抗インフルエンザウイルス剤
《アマンタジン塩酸塩製剤》
《オセルタミビルリン酸塩製剤》
オセルタミビルリン酸塩(沢井製薬)
オセルタミビルリン酸塩DS(沢井製薬、中外製薬)
タミフル(中外製薬)
《ザナミビル水和物製剤》
リレンザ(グラクソ・スミスクライン)
《バロキサビルマルボキシル製剤》
ゾフルーザ(塩野義製薬)
《ファビピラビル製剤》
アビガン(富士フイルム富山化学、大正ファーマ)
《ラニナミビルオクタン酸エステル水和物製剤》
イナビル(第一三共)
抗ウイルス剤で、A型またはB型インフルエンザウイルス感染症及びその予防の治療に使用されます。
インフルエンザ様症状が現れてから48時間以内(ザナミビル水和物製剤は36時間以内)に使用し始めます。
予防のために用いる場合、原則として、インフルエンザウイルスに感染した人と同居している人のうち、①65歳以上の高齢者、②慢性心疾患がある(イナビルは慢性呼吸器疾患または慢性心疾患)、③糖尿病などの代謝性疾患がある、④腎機能に障害がある、このいずれかの条件に該当する人が対象となります。
アマンタジン塩酸塩製剤は、症状が重く死亡率の高い人(高齢者、免疫不全の人)およびそのような患者に接する医療従事者で、医師がとくに必要と判断した場合にかぎって、A型インフルエンザウイルス感染症に用います。
バロキサビルマルボキシル製剤は、インフルエンザウイルス特有の酵素を阻害することで、ウイルスの増殖を抑制する新しい作用の薬です。1回の服用で効果が現れ、体重が10kg以上であれば12歳未満の小児も服用可能です。
ファビピラビル製剤は、ほかの薬剤が無効または効果不十分な場合に、新型インフルエンザまたは再興型インフルエンザに対して国の判断によって使用される薬です。
①
オセルタミビルリン酸塩製剤では、ショック、アナフィラキシー、皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死症、肺炎、劇症肝炎・
ラニナミビルオクタン酸エステル水和物製剤では、ショック、アナフィラキシー、気管支攣縮、呼吸困難、異常行動がおこることがあります。
ザナミビル水和物製剤では、ショック、アナフィラキシー、中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、多形紅斑、気管支攣縮、呼吸困難、異常行動などがおこることがあります。
バロキサビルマルボキシル製剤、ファビピラビル製剤では、異常行動が、さらにバロキサビルマルボキシル製剤で出血が現れることがあります。
このような症状がおこったときは、使用を中止して、すぐ医師に相談してください。
②頭痛、不眠、下痢、吐き気・
①錠剤、カプセル、ドライシロップ、吸入薬があります。1日の使用回数・使用時間、1回の使用量などについては医師・薬剤師の指示を守り、かってな判断で増量・減量したり、中止しないでください。予防に用いる場合は全額自己負担となります。
②問診の際にあらかじめ、持病・アレルギーなどの体質、現在使用中の薬の有無などを医師に報告してください。
とくに、心血管疾患または末梢性浮腫、腎障害、肝障害、低血圧、精神疾患、閉塞隅角緑内障、乳製品で過敏症をおこしたことのある人などは、あらかじめ医師にその旨を報告してください。
③この薬の成分で過敏症状をおこしたことのある人には使用できません。
また、妊婦、現在妊娠している可能性のある人、母乳で授乳中の人、透析を必要とする重い腎障害のある人は使用できないことがあります。あらかじめ医師にその旨を報告してください。ファビピラビル製剤では、男女ともに使用中または移用終了後7日間までは避妊をしてください。
④薬の服用に関係なく小児・未成年者がインフルエンザにかかった場合は、万が一の事故を防止するために、発熱から少なくとも2日間、保護者は小児・未成年者がひとりにならないように注意してください。
出典 病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版について 情報