抗アレルギー剤(読み)こうアレルギーざい(英語表記)antiallergic

翻訳|antiallergic

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

広義にはアレルギー性疾患に対する治療薬がすべて含まれるが,一般的には,アレルギー反応に関与する細胞から放出される化学伝達物質遊離抑制剤と理解されている。花粉症気管支喘息 (ぜんそく) ,アトピー性皮膚炎などのアレルギー性疾患に用いる。ただし,急性期の諸症状に対しては無効で,予防的治療薬という位置づけになっている。クロモグリク酸ナトリウムが第1号で,炎症に関与する細胞からのヒスタミンの遊離を抑制する作用機序を持つ。 1990年現在,日本では 11種類の抗アレルギー剤が発売されているが,さらに 30種類以上の抗アレルギー剤が,開発段階にある。これらの薬剤について,患者の病態に合わせた選択基準を考える時期に来ているといってよいだろう。

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病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版の解説

抗アレルギー剤とは


 抗アレルギー剤の対象となる病気には、気管支喘息ぜんそく、アトピー性皮膚炎、じんましん、アレルギー性鼻炎、花粉症、アレルギー性結膜炎、薬物アレルギーなどがあり、近年、日本では生活環境の変化に伴って増え続けてきました。


 これらの病気には重症のもの、治療困難なもの、生活の質に大きな影響を与えるものなどもあり、病態の解明と治療の改善が急がれています。


 アレルギー性疾患の治療剤には、病態に応じて、副腎皮質ホルモン剤〔ステロイド・ホルモン〕、抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤があり、免疫抑制剤なども一部応用されています。


 抗アレルギー剤は、アレルギー性疾患の症状を引きおこす原因物質(化学伝達物質)であるヒスタミン、ロイコトリエン、トロンボキサンA2、IgE抗体などが肥満細胞(マスト細胞)から遊離するのを抑制したり、受容体に拮抗して、病状を軽減・予防するものです。


 原因物質に対応する薬には、ヒスタミンH1受容体拮抗きっこう、肥満細胞からの化学物質遊離抑制剤トロンボキサンA2受容体拮抗剤トロンボキサンA2合成酵素阻害剤ロイコトリエン受容体拮抗剤IgE抗体産生抑制剤などがあります。


 内服剤のほかに外用剤(点鼻剤、点眼剤など)を単独や併用で、また、抗アレルギー剤とほかのステロイド剤、抗ヒスタミン剤、向精神剤などを併用して治療効果を高めたり、副作用の防止や軽減をはかります。


ヒスタミンH1受容体拮抗剤


化学物質遊離抑制剤


トロンボキサンA2受容体拮抗剤


トロンボキサンA2合成酵素阻害剤


ロイコトリエン受容体拮抗剤


IgE抗体産生抑制剤


イブジラスト製剤


クロモグリク酸ナトリウム内服剤


減感作療法剤

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