化学物質遊離抑制剤（読み）カガクブッシツユウリヨクセイザイ

病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版

化学物質遊離抑制剤

製品名
《トラニラスト製剤》
トラニラスト（武田テバファーマ、武田薬品工業、長生堂製薬、日本ジェネリック、東和薬品）
トラニラストDS（長生堂製薬、日本ジェネリック）
リザベン（キッセイ薬品工業）
《ペミロラストカリウム製剤》
アルジキサール（武田テバファーマ、武田薬品工業）
アレギサール（ニプロESファーマ）
ペミラストン（アルフレッサファーマ）
ペミロラストK（マイラン製薬、ファイザー、辰巳化学、東和薬品）

　免疫グロブリンE（IgE）抗体と結合している肥満細胞（マスト細胞）からの、ヒスタミンなどの化学伝達物質の遊離を抑える薬です。気管支喘息ぜんそくの発作の予防に使用されます。

　ペミロラストカリウム製剤は、アレルギー性鼻炎の治療にも用いられます。

　また、トラニラスト製剤は、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、製品によってケロイドや肥厚性瘢痕ひこうせいはんこんの治療にも使用されます。

①過敏症状（発疹ほっしん、かゆみなど）が現れることがあります。トラニラスト製剤では、膀胱炎ぼうこうえんのような症状、肝機能障害、黄疸おうだん、腎機能障害、白血球減少、血小板減少が現れることがあります。

　このような症状が現れたら使用を止め、すぐ医師に相談してください。

　また、指示された診察・検査は必ず受けてください。

②腹痛、吐き気、胃部不快感、下痢、ねむけなどが現れることがあります。

　また、トラニラスト製剤では、脱毛、緑色尿が現れることがあります。このような症状が現れたときは、医師に相談してください。

①さまざまな剤型があります。1日の使用回数、使用時間、1回の使用量については医師の指示をきちんと守り、かってに中止、増量・減量しないでください。

　また、剤型によって使用法が異なりますから、医師・薬剤師の指示をよく聞き、きちんと守ってください。

　点眼剤も参照してください。

②問診の際にあらかじめ、持病・アレルギーなどの体質や、現在使用中の薬の有無を医師に報告してください。

　トラニラスト製剤とワルファリンカリウム製剤を併用すると、併用薬の効果が強く現れることがあります。

③これらの薬で過去に過敏症状をおこしたことがある人、妊婦あるいは現在妊娠している可能性のある人には使用できません。

　あらかじめ、その旨を医師に報告してください。

④喘息発作は、その人によっておこりやすい時期がほぼ決まっています。問診の際に使用上の注意について医師とよく相談し、自分の症状に合った使用時間を定めてもらってください。

出典　病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版