デジタル大辞泉 「折返す」の意味・読み・例文・類語 おり‐かえ・す〔をりかへす〕【折(り)返す】 [動サ五(四)]1 紙・布などをもとの方へ折って重ねる。折って二重にする。「襟を―・す」2 ある地点まで行って、来た方向へ戻る。引き返す。「この先不通のため当駅で―・します」3 全体の中間を過ぎる。前半が終わり、後半になる。「横綱がただ一人全勝で―・した」「リーグ戦を首位で―・す」4 手紙や話などの返事を、あまり時間がたたないうちにする。「―・して返事の手紙が届く」5 詩歌や管弦などを繰り返す。「曲ごくのめでたと言ふ手、―・し遊ばす」〈宇津保・春日詣〉[類語]引き返す・帰る・戻る・取って返す・踵きびすを返す・折り返し・とんぼ返り・ターン・ユーターン・回れ右 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「折返す」の意味・読み・例文・類語 おり‐かえ・すをりかへす【折返】 [ 1 ] 〘 他動詞 サ行五(四) 〙① 布や紙などを、裏側が部分的に見えるように折る。また、紙などを、現在の折り方と反対側に折る。[初出の実例]「春の野に すみれを摘むと 白たへの 袖乎利可敝之(ヲリカヘシ) 紅(くれなゐ)の 赤裳裾引き」(出典:万葉集(8C後)一七・三九七三)② 詩歌や管弦の曲を、二度繰り返して吟じ、また、奏する。転じて、物事を繰り返して行なう。[初出の実例]「遺言の手を、おりかへし弾く」(出典:宇津保物語(970‐999頃)俊蔭)③ もう一度、もとの状態にもどす。[初出の実例]「水で冷えたのだから折返(ヲリカヘ)して温めさへすれば直ると思ってゐるのだらう」(出典:いたづら小僧日記(1909)〈佐々木邦訳〉)[ 2 ] 〘 自動詞 サ行五段活用 〙① ある所まで行って、来た方向にひき返す。[初出の実例]「燕や田をおりかへす馬のあと〈野童〉」(出典:俳諧・続猿蓑(1698)春)② 手紙や話などのやりとりを、あまり間をおかないでする。すぐ返事をする。[初出の実例]「早速母に上京を促した。折かへして来た母の返事には」(出典:思出の記(1900‐01)〈徳富蘆花〉八) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例