指しゃぶり (ゆびしゃぶり)
thumb sucking
指とくに親指をしゃぶる癖で,つめかみなどと同じように,子どもの発達の経過のなかで一過性に出現する身体いじり(身体玩弄)の一つ。生後まもなくから出現し,1,2歳の子どもでは15~60%にみられるとされるごくありふれた現象で,入眠時,空腹時,退屈時に多い。その後はしだいに減少するが,遅かれ早かれ社会的に認められない,みっともない行動だとして禁止されるようになると,背後になにか心理的な問題を隠した行動(神経性習癖)として,さびしさ,母の不在,年齢相応の活動ができない不満の際,あるいは幼児的段階への心理的退行の現象として出現するようになる。
執筆者:中根 晃
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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指しゃぶり
ゆびしゃぶり
乳幼児では一般的にみられる習癖で、生後数か月から始まり、2歳ころになると自然に少なくなり、3~4歳ではほとんど消失する。吸う指はおもに親指である。指しゃぶりは不正咬合(こうごう)の原因となりうるが、乳幼児では早急にやめさせる必要はない。
[市丸展子]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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指しゃぶり
ゆびしゃぶり
乳幼児にみられる習癖の一種。生後まもない乳児にも認められるが生後2~3ヵ月頃に多くなり,5~6歳でもみられる。従来施設病の一症状と考えられ,愛情の多寡との関係で論じられてきたが,アメリカの児童心理学者 A.ゲゼルによれば,特に乳児期の指しゃぶりは3分の2の子供に多かれ少なかれ認められ,若干は人工栄養児に多いが母乳栄養児にもみられるなどのことから,正常な発達現象とされる。1~2歳の子供にも多く,就寝時や退屈したときにみられ,2~3歳になるとかなり減少,3~4歳頃にはほぼ消失するが,年齢とともに増加するような場合には問題行動と考えて,その原因を考える必要がある。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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家庭医学館
「指しゃぶり」の解説
ゆびしゃぶり【指しゃぶり】
乳児期後半からみられ、2~3歳ころまでには消失しますが、4~5歳までみられることもあります。発達にともなう生理的な行為で、乳児では空腹、幼児では母子分離の過程や欲求が満たされないときに指しゃぶりをします。
うるさく注意しないほうがよく、子どもが自然に母親から離れて友だちと遊べるようになると消失していきます。
出典 小学館家庭医学館について 情報
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世界大百科事典(旧版)内の指しゃぶりの言及
【幼児性欲】より
…すなわち乳児は空腹でないときでもおしゃぶりで栄養をとるさいの動作を反復して,深い満足を味わう。おしゃぶりはやがて指しゃぶりに発展し,また自慰と結合することすらある([口唇期])。また大便の通過による肛門部への粘膜刺激も快感となる。…
※「指しゃぶり」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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