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換羽 かんうmolt; molting

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

換羽
かんう
molt; molting

古い羽毛が抜け落ちて新に替ること。換羽は繁殖や渡りの時期と関連し,成鳥は少くとも年1回,大半の鳥では繁殖前と繁殖後の年2回,少数の鳥では年3回換羽する。幼鳥は巣立ち後冬までの間に,幼羽から成鳥羽になる。換羽は一般に翼,尾,体羽の順で起り,体の両側で同じ種類の羽毛が少しずつ抜け替っていく。そのため,大半の鳥は生活上,特に支障をきたすことはないが,ガンカモ科の鳥は風切が一時に抜け替り,一時飛べない時期がある。

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デジタル大辞泉の解説

かん‐う〔クワン‐〕【換羽】

鳥の羽毛が抜けかわること。ふつう繁殖期のあと、全身の羽毛に一定の順序で起こり、新羽に押し出されて旧羽が抜ける。羽がわり。

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大辞林 第三版の解説

かんう【換羽】

鳥の羽毛の抜けかわること。繁殖期を過ぎたあと、鳥の羽が一定の順序で抜けかわり更新する現象。羽がわり。 「 -期」

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

換羽
かんう
moltmoult

鳥類の羽毛が、季節によって、また成長に応じて、その一部または全部が抜け替わることをいう。飼育下にある鷹狩(たかがり)用のタカ、産卵用のニワトリなどの場合は、鳥屋(とや)ということがある。すべての鳥は成鳥になると、繁殖期のあとに、翼と尾も含む全身の換羽を行う。この新しい羽衣(うい)を基羽(きう)という。ただし、大形のワシとツルの風切羽(かざきりばね)は2年に1回しか換羽しないことがある。また、ガンの換羽は8月から翌年の2月ごろまでかけて行われ、タカ目でも、繁殖に関係なく春から秋まで徐々に行われる。多くの種類の成鳥は、繁殖期に先だって翼と尾を除く部分的な換羽を行い、代羽(だいう)となる。代羽への換羽は、同じ種でも地方によって有無があり、マガモなど北半球産の多くのカモのように、雄は基羽と代羽をもつが、雌は基羽しかもたない例がある。季節による2型がある場合、一般には、冬の羽衣を冬羽、夏の羽衣を夏羽といい、また繁殖期の羽衣を生殖羽、非繁殖期の羽衣を非生殖羽という。普通、夏羽、生殖羽および代羽、そして冬羽、非生殖羽および基羽はそれぞれ同じものをさすことが多いが、冬に生殖羽となるもの、換羽によらず基羽のままで色素の変化または羽縁の擦り切れによって冬羽から夏羽にかわる鳥も多く、かならずしも一致するわけではない。
 卵からかえったばかりの鳥は、スズメ目のようにまったく裸か、ほかの目の多くの鳥のようにやがて伸びてくる羽の先端だけが現れている綿状の羽に覆われている。やがて羽が生え、また伸びて全身を覆う。この段階に達したものを幼鳥といい、それまでの段階のものを雛(ひな)という。幼鳥になると、成鳥とほぼ同じ運動能力がある。幼鳥の羽(幼羽)は一般にじみで、外敵にみつかりにくい。幼羽の時期は短く、3週間から3か月の間に最初の換羽があり、第1回目の基羽となる。体の小さなシジュウカラなどでは、尾羽や風切羽も含む全身の羽が抜け替わり成鳥羽になるが、多くの鳥では風切羽、尾羽、初列雨覆(あまおおい)は換羽せず、また換羽した部分も成鳥の羽とは異なり、この段階にあるものを若鳥という。若鳥は、冬を越して第2年の春の部分的な換羽によって成鳥羽になるものが多いが、大形の鳥では、数度の換羽を経て初めて成鳥羽になる。繁殖能力は成鳥羽になった段階で完成するといってよく、成長の遅いアホウドリ科の鳥では成熟するまでに数年かかる。換羽の際、古い羽は、新しく生えてくる羽に押し出されて抜け落ちる。風切羽は左右の翼が対称的に少数ずつ抜け替わるので、換羽に際して飛翔(ひしょう)能力を失わないのが普通であるが、カモは一斉に換羽するので、飛べなくなる。ペンギンは全身の羽毛が一斉に抜け落ちるので、新しい羽が伸びる2、3週間は水に入らない。[竹下信雄]

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世界大百科事典内の換羽の言及

【鳥類】より

…したがって,鳥は絶えずくちばしで羽づくろいを行い,脂肪を塗って防水を施し,水浴びや砂浴びによって汚れや寄生虫を取り除く必要がある(蟻浴(ありよく)と呼ばれる行動も同じような機能をもつと考えられる)。さらに,少なくとも年1回,繁殖のあとで完全な換羽(かんう)を行い,すり切れた羽毛を新しいものに取りかえる。多くの鳥は,繁殖の前にも体羽の一部または全部を取りかえる(このときの換羽では風切羽および尾羽は通常換羽しない)。…

※「換羽」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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