デジタル大辞泉
「損ずる」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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そん‐・ずる【損】
- [ 1 ] 〘 自動詞 サ行変 〙
[ 文語形 ]そん・ず 〘 自動詞 サ行変 〙- ① こわれる。いたむ。そこなわれる。
- [初出の実例]「此の時に帝尺座忽に損じ」(出典:観智院本三宝絵(984)上)
- 「天下旱魃あり〈略〉畿内遠国忽ち損(ソン)じ、人民百姓歎き悲けるに」(出典:源平盛衰記(14C前)一八)
- ② 少なくなる。へる。
- [初出の実例]「史漢の文字の増損が不一ぞ。増たがわるいでもなく、損したがよいでもないぞ」(出典:史記抄(1477)六)
- ③ なくなる。うせる。
- ④ 悪くなる。病気になる。
- [初出の実例]「又、声も、年寄りてそんずる相なり」(出典:風姿花伝(1400‐02頃)一)
- [ 2 ] 〘 他動詞 サ行変 〙
[ 文語形 ]そん・ず 〘 他動詞 サ行変 〙- ① そこなう。こわす。いためる。害する。
- [初出の実例]「顕仲頗凶悪者也、以一言損人、豈以可然哉」(出典:中右記‐元永二年(1119)八月一二日)
- 「眼病に身をそんじて、出仕仕らず」(出典:義経記(室町中か)六)
- ② 少なくする。へらす。
- [初出の実例]「郎中なんどの中でめしつかわるる様な者はさのみ多くなくともとて数を損するぞ」(出典:史記抄(1477)八)
- ③ 失う。なくす。
- [初出の実例]「さらば多くの物どもそんじて、けふの供養にしあはすべきにあらず」(出典:古本説話集(1130頃か)四七)
- ④ 悪くする。悪く変える。そこなう。
- [初出の実例]「人の心地損じて、物つくをはずといへり」(出典:名語記(1275)三)
- 「すみの色をそんずる也」(出典:随筆・独寝(1724頃)下)
- 「菊池家の家名を損ずる様の事なき様呉々も心つけられ度く」(出典:思出の記(1900‐01)〈徳富蘆花〉四)
- ⑤ ( 動詞の連用形に付いて ) しくじる。まちがえる。
- [初出の実例]「車やりそんじてきられにける次郎丸がおとと、三郎丸なり」(出典:平家物語(13C前)一一)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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