壊す(読み)コワス

デジタル大辞泉 「壊す」の意味・読み・例文・類語

こわ・す〔こはす〕【壊す/毀す】

[動サ五(四)]
物に力を加えてもとの形を崩したり、失わせたりする。砕いたり破ったりして使用できないようにする。破壊する。「家を―・す」「コップを―・す」「おもちゃを―・す」
機能をもっているものに障害を起こさせる。本来の働きを損なう。故障させる。「腹を―・す」「テレビを―・す」「かぎを―・す」
まとまっていた物事・状態をくずしてだめにする。つぶす。「話を―・す」「計画を―・す」「縁談を―・す」
高額貨幣を小額の貨幣にかえる。くずす。「一万円札千円札に―・す」
[可能]こわせる
[類語](1破壊する損壊する毀損きそんする破損する損傷する損ずるそこなうこぼ傷付ける欠く砕く割る破る崩すつぶ打ち砕く打ち壊すぶち壊す取り壊す叩き壊す破砕砕破全壊壊滅

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「壊す」の意味・読み・例文・類語

こわ・すこはす【壊・毀】

  1. 〘 他動詞 サ行五(四) 〙
  2. ものに力を加えて、本来の形をくずして使えなくする。破壊する。やぶる。くだく。こぼつ。
    1. [初出の実例]「不孝の者が墓をほりこはいて、重宝を取んと思ぞ」(出典:古文真宝笑雲抄(1525)四)
  3. もとの機能をだめにする。機能をそこなう。障害をおこさせる。故障させる。
    1. [初出の実例]「酒の無理と、炬燵を離れぬのと、寐てばかりゐるのとで、胃と脳とを害(コハ)して」(出典:多情多恨(1896)〈尾崎紅葉〉前)
  4. 組織したもの、計画したことなどをだめにする。つぶす。
    1. [初出の実例]「シンショヲ kowasz(コワス)」(出典:和英語林集成(初版)(1867))
    2. 「家庭を毀すことは、やがて己自身を毀して了ふことだ」(出典:今年竹(1919‐27)〈里見弴〉たちぎき)
  5. 高額の貨幣を小額の貨幣にかえる。両替する。くずす。
    1. [初出の実例]「こわしてくれと十円札を預けて、とにかく五十銭だけ貰って来たんだ」(出典:浅草日記(1930)〈川端康成〉)

え‐・すヱ‥【壊】

  1. ( 「え」は「壊」の呉音 )
  2. [ 1 ] 〘 自動詞 サ行変 〙 破れる。こわれる。
    1. [初出の実例]「かの観音を念ぜんちからに、つるぎ、つきて段段に壊(エ)(〈注〉オレ)しなん」(出典:妙一本仮名書き法華経(鎌倉中)八)
  3. [ 2 ] 〘 他動詞 サ行変 〙 破る。こわす。〔日葡辞書(1603‐04)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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