教育ローン(読み)きょういくローン

大学事典 「教育ローン」の解説

教育ローン
きょういくローン

日本政策金融公庫民間金融機関が行う長期返済の融資額の比較的高いローンを指す。なお日本以外の国では,日本の教育ローンにあたるものを「student loan」というので,学生ローンと混同しやすい。そのため教育ローンを学資ローンと呼んで,学生ローンと区別する場合もある。日本政策金融公庫の「国の教育ローン」は最高350万円(2016年現在)まで一時期に借りられるため,初年度納付金の高い日本では,そのための利用が多いとみられる。返済期間は最長15年で,在学中も有利子である。利子率は2016年5月現在,年1.90%で固定金利(保証料別)である。また,母子家庭または世帯年収(所得)200万円(122万円)以内の場合は年1.50%と低く設定されている。連帯保証人か,教育資金融資保証基金による機関保証が選択できる。利用者数は年間約11万件となっている。また銀行などでも教育ローンを提供している例は多い。借入れ可能金額は数百万円台が多いが,1億円に達するものもある。利子率は2%から5%程度が多いが,10%以上のものもある。保証料などがかかるため,実質金利はさらに高くなる。これは教育ローンには担保がないため,リスクプレミアムとして利子に上乗せしていることによる。
著者: 小林雅之

出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「教育ローン」の意味・わかりやすい解説

教育ローン
きょういくローン

子供の教育費使途を限定した個人向けローン。政府金融機関である日本政策金融公庫(→国民金融公庫)や,銀行,信用金庫協同組合などの民間金融機関が貸し付けを行なっている。1978年に銀行が取り扱いを開始し,個人向けローン開発のさきがけとなった(→消費者信用)。一般の個人向けローンと比べ金利はおおむね低く設定されており,国の教育ローンには世帯所得制限がある。金融機関により,使途を入学金授業料などの学校納付金に限定するものや,教材費やパーソナル・コンピュータの購入費,居住費などの関連費用を含めるものがある。

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