斎会(読み)サイエ(その他表記)zhāi huì

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精選版 日本国語大辞典 「斎会」の意味・読み・例文・類語

さい‐え‥ヱ【斎会】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 衆僧斎食を供養する法会。〔令義解(718)〕
    1. [初出の実例]「既に訳し畢ぬるを皇帝聞き給て、歓喜して斎会(さいゑ)を設て供養し給はむとす」(出典今昔物語集(1120頃か)七)
  3. 神をまつること。神を祭祀する儀式。〔延喜式(927)〕

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改訂新版 世界大百科事典 「斎会」の意味・わかりやすい解説

斎会 (さいえ)
zhāi huì

仏教では,僧尼を集めて斎食(さいじき)(午前中の食事)を供する法会をいう。もともとインドでは,貴賤僧俗を区別せずに斎食を布施して,大きな法会を営むことが多く,これをパンチャ・パリシャドPañca-pariṣadと称し,中国では無遮会(むしやえ)と訳されていた。梁の武帝が527年(大通1)に行った無遮大会などが有名である。道教でも,その祭りは〈斎〉とか〈会(かい)〉とかの語で呼ばれる。《三洞珠囊(さんどうしゆのう)》巻六の〈斎会品〉と称する章によれば,斎には参加人数の制限や導師その他の役割分担が規定されているが,〈会〉にはそのような規定がなく,ただ〈集まって散財し,道士賢者に食事を供する〉だけだという。しかし,三元の日(1月15日の上元,7月15日の中元,10月15日の下元)には必ず〈斎会〉せよといい,《雲笈七籤(うんきゆうしちせん)》巻三十七にも春分秋分に行われる社の大祭を〈斎会〉というとあるから,この言葉は道教の祭りをも指すと考えてよかろう。
御斎会
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