太陽から地球表面にやってくる放射の強さを測定する器械。波長が約4マイクロメートル以下の放射が測れるようにつくってある。太陽面そのものからの放射を測る直達日射計、天空からの放射まで含めた全天日射量を対象とする全天日射計などがある。直達日射は、細長い筒を太陽に向け、筒底にある感部が日射で昇温する速さを測って求める。筒の内面は反射を防ぐため黒く塗装してある。シャッターを開き、銀でつくった黒色の吸熱感部に日射を当てる。これは銀盤日射計とよばれ、古くから使われている。1965年(昭和40)ごろ、太陽の動きを自動追跡する記録式の器械がつくられた。精密な観測には、2枚のマンガニン(銅、マンガン、ニッケルの合金)板の一方に日射を当て、生じる温度差を測定するオングストローム日射計が用いられる。全天日射には、乾燥空気を封入したガラス球の内部に、黒と白の金属板をリング状に水平に取り付けたエプリー日射計(熱電堆式全天日射計(ねつでんたいしきぜんてんにっしゃけい))がよく用いられる。日射による黒白金属板の温度差は、熱電堆(複数の熱電対(つい)を連結したもの)の起電力で測定する。
[篠原武次・渡邉清光]
『柴田和雄・内嶋善兵衛著『太陽エネルギーの分布と測定』(1987・学会出版センター)』
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…したがって地表に到達する日射は大気外日射量の約50%で,約30%は宇宙空間に失われ,約20%は大気中に吸収される。大気放射太陽熱
[日射計]
直達日射計,全天日射計,天空散乱日射計がある。直達日射計は太陽から大気を通過して直接地上に達する日射のエネルギーを測る器械で,銀盤日射計が一般に用いられる。…
…一般にはある面に入射する放射エネルギーの,単位面積当り,単位時間当りの量,すなわち放射照度(単位はW/m2またはcal/m2・s)を測定する。日射計もその一種である。放射は通常,紫外,可視,赤外の広い波長領域の成分を含んでいるから,放射計の分光感度(各波長の単色放射に対する感度)は波長によらず一定でなければならない。…
※「日射計」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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