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日本工芸 にほんこうげい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

日本工芸
にほんこうげい

始源は新石器時代に求められ,変化に富んだ文様をもつ縄文土器がこの時期を代表する。前2世紀から後3世紀頃,ろくろを用い平滑な肌づくりの弥生土器が作られ,日本独特の銅剣,銅鉾や銅鐸の製造も始った。古墳時代には大陸系技術による須恵器や金銅製の刀剣外装,馬具,装身具などが作られ,豪華な意匠感覚をみせている。仏教伝来の飛鳥時代からは仏具や寺院の荘厳具などの生産が盛んで,法隆寺の『金銅幡』『玉虫厨子』,中宮寺の『天寿国繍帳』など金工・染織技術の進歩が著しい。奈良時代は調度や文房具類も精巧となり,正倉院宝物に代表されるように,素材と技法が多種で,形態や意匠にペルシアなど西方系の要素の濃い作品が多数制作されている。平安時代は貴族社会を背景に室内調度,服飾品,仏具などに繊細な技法と純日本的感覚を示すものが多いが,なかでも漆工芸が最も発達し,蒔絵や螺鈿 (らでん) による絵画的文様はこの時代の装飾意匠を代表する。鎌倉時代は武家の台頭に伴い,武器,武具の生産に金工,漆工の技術が動員され,ここで高められた技術が調度や仏具の精巧な作品を生んでいる。また,瀬戸を中心に施釉の陶磁器生産もこの時期から始った。室町時代は禅宗や茶の湯の影響で工芸品にも過度の装飾を排した機能美が追求されたが,次の安土桃山~江戸時代には町人階級まで工芸の需要が広まり,日本の各地で各分野の特色ある作品を生み出すにいたった。現代は,伝統的手法による工芸と,新しい造形としての近代工芸の2つの流れがある。

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