荘厳(読み)しょうごん

精選版 日本国語大辞典 「荘厳」の意味・読み・例文・類語

しょう‐ごん シャウ‥【荘厳】

〘名〙 (「しょう」「ごん」はそれぞれ「荘」「厳」の呉音) 仏語。
① (━する) 智慧福徳など善美をもって、身やその住む国土を飾ること。また、逆に悪事を積むことをもいう。
※本朝文粋(1060頃)一二・西方極楽讚〈後中書王〉「八方妙相荘厳身。六八弘誓変成地」
※風姿花伝(1400‐02頃)一「しゃうごんの僧正、并に僧綱等は、いかにも威儀を本として、気高き所を学ぶべし」 〔大集経‐一〕
② (━する) 天蓋幢幡(とうはん)瓔珞(ようらく)などで、仏像仏堂を美しくおごそかに飾りつけること。また、そのもの。そうごん。
※観智院本三宝絵(984)下「供養荘厳つかさつかさにつとめつかふまつる」
※発心集(1216頃か)一「堂荘厳(シャウゴン)して」
③ おごそかなこと。おもおもしさ。そうごん。
評判記色道大鏡(1678)一五「身に荘厳(セウゴン)なければ肩すぼり」

そう‐ごん サウ‥【荘厳】

〘名〙 (「そう」は「荘」の漢音、「ごん」は「厳」の呉音)
① (━する) 天蓋、幢幡(とうはん)、瓔珞(ようらく)などで、仏像や仏堂を美しくおごそかに飾りつけること。また、そのもの。しょうごん。
※栄花(1028‐92頃)もとのしづく「阿彌陀堂にさうごんし」
② (形動) 尊くいかめしいこと。おごそかで重々しいこと。また、そのさま。
日本風俗備考(1833)二「然れども此時の事勢壮厳なれば」
天地有情(1899)〈土井晩翠〉暮鐘「天の荘厳地の美麗

しょう‐げん シャウ‥【荘厳】

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デジタル大辞泉 「荘厳」の意味・読み・例文・類語

そう‐ごん〔サウ‐〕【荘厳】

[名・形動]重々しくおごそかなこと。おごそかでりっぱなこと。また、そのさま。「荘厳式典
[類語]荘重厳か厳粛粛粛厳然森厳荘重重厚重重しい物物しい厳めしい厳としてげん重量感どっしりずっしりずしりずしっとどっかとがっしり重み広量堂堂大度太っ腹マッシブ

しょう‐ごん〔シヤウ‐〕【荘厳】

[名](スル)
智慧・福徳・相好などで浄土や仏の身を飾ること。
仏像や仏堂を、天蓋・幢幡どうばん瓔珞ようらくなどでおごそかに飾ること。また、その物。
[名・形動]そうごん(荘厳)

しょう‐げん〔シヤウ‐〕【荘厳】

しょうごん(荘厳)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「荘厳」の意味・わかりやすい解説

荘厳
しょうごん

サンスクリット語のアランカーラ alamkāraの訳語。仏像や仏堂を飾ること,またその装飾具 (荘厳具) 。仏像の冠,瓔珞 (ようらく) ,光背,仏堂の天蓋,幢幡 (とうばん。→ ) ,華鬘 (けまん) などをいう。

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普及版 字通 「荘厳」の読み・字形・画数・意味

【荘厳】そうごん

気高い。

字通「荘」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の荘厳の言及

【文様】より

…漢訳仏典《四分律(しぶんりつ)》によると,仏塔には籐(とう)(唐草)や葡萄蔓(ぶどうまん)(葡萄唐草),蓮華(れんげ)などの植物文様がほどこされていたこともわかる。仏教寺院では,堂塔や尊像などを装飾することを〈荘厳(しようごん)〉というが,これはサンスクリットのビューハvyūhaの漢訳語で,〈飾る〉という意味である。荘厳は厳飾(ごんしよく)ともいい,それが仏法によるものであって,一般世俗の装飾とは異なることを示す宗教的呼称といえよう。…

※「荘厳」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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