昆虫アレルギー(読み)こんちゅうあれるぎー(英語表記)insect allergy

日本大百科全書(ニッポニカ) 「昆虫アレルギー」の意味・わかりやすい解説

昆虫アレルギー
こんちゅうあれるぎー
insect allergy

昆虫由来抗原により生ずる過敏症で、(1)かんだり刺したりするハチ、カ、アブブヨなどの昆虫の毒抗原による全身反応(アナフィラキシーショック)と局所反応、(2)昆虫の鱗粉(りんぷん)、毛、体成分、排泄(はいせつ)物などの吸入によるアレルギー性鼻炎、気管支喘息(ぜんそく)などがある。もっとも注意を要するのは、アシナガバチスズメバチ刺傷(ハチ毒抗原)によるアナフィラキシーショックで、死亡することもある。ハチ刺傷による強い局所反応や全身反応の既往歴があり、野外で活動する機会が多い者には、ハチ毒抗原によるアレルゲン免疫療法(減感作(げんかんさ)療法)が適応となる。また山野へ出かけるときは、刺されたときの用心に、アドレナリン注射液を詰めた注射器の携行が望ましい。

[高橋昭三]

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