精選版 日本国語大辞典 「晏子春秋」の意味・読み・例文・類語
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中国、春秋時代、斉(せい)の霊公、荘公、景公の3代に仕えた宰相晏嬰(あんえい)の言行を集録した書。『漢書(かんじょ)』の「芸文志」の諸子略の儒家類には単に『晏子』と称する。中唐の文人、柳宗元(りゅうそうげん)がこの書を斉国在住の墨翟(ぼくてき)の徒の作とみなして以後、書目によっては墨家類に列する。なお、『四庫全書総目提要』ではこれを史部伝記類に収める。現行本が司馬遷(しばせん)、劉向(りゅうきょう)、班固(はんこ)などがみた書と同一物であるか、それとも後人の編纂(へんさん)物であるか、判然としない。現行本は内篇(ないへん)と外篇とに二分され、前者は諫(かん)上下、問上下、雑上下の6篇、後者は上下の2篇からなる。内容的には、もっぱら治政の要諦(ようてい)としての勤倹力行が説かれているが、各篇相互に同工異曲の問答、説話を数多くみいだすことができる。資料的には格言や説話の宝庫として活用できよう。注解としては呉則虞(ごそくぐ)『晏子春秋集釈』が優れている。
[伊東倫厚]
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