北海道中西部、空知(そらち)総合振興局管内の町。1953年(昭和28)町制施行。石狩(いしかり)川の右岸、樺戸(かばと)山地の迫るあたりに位置し、1881年(明治14)重罪犯を収容する樺戸集治監が置かれ、石狩川舟運の終着地として開けた。地名は初代集治監典獄(刑務所長)の姓に由来する。囚人たちは道路、炭鉱などの開発に使役され、北海道開発の先駆となった功績は大きく、市街も繁栄した。1919年(大正8)監獄廃止後は水田中心の農村となった。1983年(昭和58)月形刑務所が開庁。農業は第二次世界大戦後、米の減反政策の進展により、現在は水田とメロン、花卉(かき)などとの複合経営が多い。国道275号が通じ、2020年(令和2)4月まではJR札沼(さっしょう)線が通じていたが、むしろ地方道を通じての岩見沢(いわみざわ)市との関係が深い。旧集治監庁舎は、役場新庁舎完成(1972)まで町役場として使われたのち、町立の北海道行刑資料館となっていたが、1996年(平成8)月形樺戸博物館として再開設、当時の資料を収蔵し、監獄時代の名残(なごり)を伝える。面積150.40平方キロメートル、人口3691(2020)。
[柏村一郎]
『『月形村沿革誌』(1950・月形村)』▽『『月形町史』(1985・月形町)』
北海道中央部,空知支庁樺戸(かばと)郡の町。人口4859(2010)。増毛(ましけ)山地南端から石狩平野にかけての石狩川右岸に位置し,東部は美唄市に隣接する。舟運の便がよいため1881年樺戸集治監が設けられ,これに伴って市街地も形成された。1919年に集治監が廃止されるまで,受刑者により空知・上川地方の開発が行われた。町名は初代典獄の月形潔の名に由来する。1888年,集治監の土地の一部が払い下げられ,以後小作農場経営が行われるようになり,移住者も増加した。米作を主とし,山地周辺では畑作も行われ,ジャガイモ,小麦,大豆などを産する。JR札沼線,国道275号線が札幌に通じるほか,岩見沢市への交通の便もよい。集治監庁舎の一部を保存した北海道行刑資料館(現在は月形樺戸博物館の一部)がある。
執筆者:奥平 忠志
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…なお相手の得物をからむために〈けらくび〉に近く横手を左右に設けたのを〈十文字鑓〉といい,特に横手を湾曲させたのを〈鎌鑓〉という。鎌鑓には両方の横手を穂先に向けて浅く湾曲させた〈月形〉,深くした〈山形〉,鳥の翼のように横手の両端を張らせた〈千鳥形〉,反対に横手を茎の方に向けた〈沢瀉(おもだか)〉,横手を片方だけにした〈片鎌〉などがある。また古代の手矛から進化した薙鎌(ないかま)の構造をとり入れた月鎌などの異形の身もあるが,これは刺突用ではなく,相手に打ち込み,引っかけて倒す利器として,鉾のなごりを示すので,鑓としては広く用いられなかった(図2)。…
※「月形」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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