あり‐てい【有体】
- 〘 名詞 〙 ( 形動 )
- ① 物事の状態。ありよう。〔日葡辞書(1603‐04)〕
- ② ありのままであること。偽りや飾りのないさま。ありよう。
- [初出の実例]「素はかざらぬありていなことぞ」(出典:玉塵抄(1563)三七)
- 「有体(アリテイ)に申すから其手を放して下さい」(出典:真景累ケ淵(1869頃)〈三遊亭円朝〉六八)
- ③ ありきたりのこと。ありふれたこと。とおりいっぺんなこと。
- [初出の実例]「ばばさま爰(ここ)を通りますと有躰(アリテイ)の礼義をのべて」(出典:浮世草子・西鶴置土産(1693)二)
う‐たい【有体】
- 〘 名詞 〙 仏語。実体のあるもの。有部(うぶ)宗では七五法、成実(じょうじつ)宗では八四法、法相宗では百法を立てて有体の法とする。有形の物質も、無形の心識も、因縁により生ずる有為法も、非因縁の無為法をも含む。⇔無体。
- [初出の実例]「道体に有・無・中道あり。儒は、道体の有なり。今の有体ををしへ行ふが故也」(出典:集義和書(1676頃)一一)
- [その他の文献]〔順正理論‐二六〕
ゆう‐たいイウ‥【有体】
- 〘 名詞 〙 実体があること。形があること。また、その物。〔慶応再版英和対訳辞書(1867)〕 〔易経‐繋辞下〕
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
Sponserd by 