有学(読み)ウガク

デジタル大辞泉 「有学」の意味・読み・例文・類語

う‐がく【有学】

仏語仏教真理を知ってはいても、まだ迷いを完全に断ち切っておらず、学ぶ余地のある者。小乗仏教四果うち最後阿羅漢果にまだ達していない者。⇔無学

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精選版 日本国語大辞典 「有学」の意味・読み・例文・類語

う‐がく【有学】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 仏語。仏道修行に励み、仏教の真理を知っているが、煩悩をまだ断っていないため、学ばなければならないものがあること。また、その人。修行の段階としては小乗の四向四果のうち、阿羅漢果以前をいう。⇔無学
    1. [初出の実例]「舎利弗(しゃりほつ)は智恵第一の人也、阿難は有学の人にて智恵浅し」(出典今昔物語集(1120頃か)三)
    2. [その他の文献]〔法華経‐序品〕
  3. 学問に精通すること。また、学問をしていること(日葡辞書(1603‐04))。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「有学」の意味・わかりやすい解説

有学
うがく
śaikṣa

仏教用語。部派仏教では,まだ修学すべき境涯の段階を,預流果 (よるか) ,一来果,不還果,阿羅漢果の四果 (4つの境地) に分けているが,そのうち前の三果は,最高の境地ではなく,まだ未熟で学ばなければならない余地があるので,有学と呼んでいる。迷いを完全に断ち切り学ぶべき余地もなくなった境地 (阿羅漢果) を無学というのに対する。

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