デジタル大辞泉
「期する」の意味・読み・例文・類語
ご・する【期する】
[動サ変][文]ご・す[サ変]
1 そうなるように期待する。きする。また、悪いことを予期する。覚悟する。
「かねて―・したる女房は、…茶碗を奪取って飯を盛りつける」〈紅葉・二人女房〉
2 そうしようと心に決める。決意する。きする。
「かさねてねんごろに修せんことを―・す」〈徒然・九二〉
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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き‐・する【期】
- 〘 他動詞 サ行変 〙
[ 文語形 ]き・す 〘 他動詞 サ行変 〙 - ① 期限や時刻を定める。期限とする。限る。予定する。
- [初出の実例]「月与レ秋期、而身何去」(出典:本朝文粋(1060頃)一四・為謙徳公報恩修善願文〈菅原文時〉)
- ② あらかじめあることを期待する。予期する。予想する。待ちもうける。かねてより願う。
- [初出の実例]「詞は微波に託してかつかつ遣るといへども、心は片月を期して媒とせんとす〈菅原輔昭〉」(出典:和漢朗詠集(1018頃)上)
- ③ あらかじめあることをしとげようと決心する。覚悟する。確信する。
- [初出の実例]「各々権能に応じて、一切の手段を尽すに於て、必ず遺漏なからむことを期せよ」(出典:清国に対する宣戦の詔勅‐明治二七年(1894)八月一日)
- ④ 誓う。約束する。
- [初出の実例]「殿上にていひきしつる本意(ほい)もなくては、など帰り給ひぬるぞ」(出典:枕草子(10C終)一三七)
ご‐・する【期】
- 〘 他動詞 サ行変 〙
[ 文語形 ]ご・す 〘 他動詞 サ行変 〙 - ① 前もってそうしようと心にきめる。決意する。予定をたてる。きする。
- [初出の実例]「人の夫妻の間は百年の契を期(ご)す」(出典:今昔物語集(1120頃か)四)
- ② かねて待ち設ける。期待する。きする。
- [初出の実例]「この折だにしるしをえ奉らずなり、御恩をかぶらでは、いつをかごせむ」(出典:栄花物語(1028‐92頃)玉の村菊)
- ③ 覚悟する。予期する。きする。
- [初出の実例]「敵の矢にあたって死なん事、もとより期する処で候也」(出典:平家物語(13C前)一一)
期するの補助注記
「期」は呉音「ご」、漢音「き」で、古くは両様の慣用があった。→きする(期)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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