木ろう(読み)もくろう(英語表記)Japan wax

翻訳|Japan wax

日本大百科全書(ニッポニカ) 「木ろう」の意味・わかりやすい解説

木ろう
もくろう / 木蝋
Japan wax

ハゼノキの実の中果皮から圧搾法で得られる。成分脂肪で、ろうではない。日本特産脂肪で、ハゼろうあるいは日本ろうともいう。含油量は15~65%。融点50~56℃。ヨウ素価3~51。日光漂白したものを晒(さらし)ろうという。主要成分脂肪酸はパルミチン酸で含有量75%、オレイン酸10%、ステアリン酸5%、炭素数22~23の二塩基酸5%程度を含む。用途は、ろうそく、つや出し料、化粧品などである。

[福住一雄 2020年9月17日]

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化学辞典 第2版 「木ろう」の解説

木ろう
モクロウ
Japan wax

ハゼノキの果実の中果皮を圧搾すると得られるろう.粗製木ろうは淡黄色で生ろうといい,天日にさらして脱色精製したものをさらしろうという.主成分はパルミチン酸グリセリド.特有の臭気と味をもつ白色~淡黄色の固体.融点52~53 ℃.クロロホルムエーテルベンゼン二硫化炭素などに可溶,沸騰アルコールに一部溶解,冷エタノールに難溶.皮革油,光沢剤,化粧品などに用いられる.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「木ろう」の意味・わかりやすい解説

木ろう
もくろう
japan wax

ウルシ科に属するハゼノキの中果皮に含まれる油脂で,慣用的にろうと呼ばれる。主としてパルミチン酸のグリセリドである。常温で固体,特有の粘靭性をもつ。融点約 53℃。和ろうそく,化粧品,医薬品などに利用される。

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