木村錦花(読み)キムラ キンカ

20世紀日本人名事典 「木村錦花」の解説

木村 錦花
キムラ キンカ

大正・昭和期の演劇研究家,劇作家



生年
明治10(1877)年5月16日

没年
昭和35(1960)年8月19日

出身地
東京・牛込

本名
木村 錦之助

経歴
父が初代市川左団次の門弟で、役者を心がけ市川高之助を名乗って舞台に立った。明治41年2代目左団次の改革興行の時、明治座に入り岡鬼太郎主事の下、同座興行主任となった。大正元年左団次一座が松竹専属となって松竹入社、14年幕内部長兼立作者代理、昭和3年松竹取締役となった。戦後は文筆活動に入り「研辰の討たれ」「東海道中膝栗毛」など創作60余編を書き、2代目市川猿之助が主に演じ好評だった。著作に「三角の雪」、遠藤為春との共著助六由縁江戸桜」、「近世劇壇史」や「守田勘弥」「明治座物語」などがある。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「木村錦花」の意味・わかりやすい解説

木村錦花
きむらきんか
(1877―1960)

劇作家、歌舞伎(かぶき)研究家。東京・牛込岩戸町に生まれ、新富町に育つ。父が初世市川左団次一座にいた関係から子役で舞台に出たが、文筆志望で、1908年(明治41)岡鬼太郎(おにたろう)とともに2世左団次の明治座に入座。のち左団次が松竹専属になるのに従って松竹合名社に移り、幕内(まくうち)部長から28年(昭和3)には松竹株式会社の取締役となった。劇作は、2世市川猿之助のための『研辰(とぎたつ)の討たれ』『東海道中膝栗毛(ひざくりげ)』など多数あり、著書に『明治座物語』『近世劇壇史』『守田勘弥(かんや)』などがある。夫人木村富子(とみこ)(1890―1944)も劇作家で、2世猿之助のために書き下ろした舞踊劇『高野物狂(こうやものぐるい)』『黒塚』『独楽(こま)』などが知られる。

藤田 洋]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「木村錦花」の解説

木村錦花 きむら-きんか

1877-1960 大正-昭和時代の劇作家,歌舞伎研究家。
明治10年5月17日生まれ。歌舞伎の子役をつとめながら創作をこころざす。明治41年明治座興行主任。松竹にうつり歌舞伎座幕内部長をへて昭和3年取締役。戯曲に「研辰(とぎたつ)の討たれ」など60編余,著作に「近世劇壇史」など。昭和35年8月19日死去。83歳。東京出身。本名は錦之助。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

367日誕生日大事典 「木村錦花」の解説

木村 錦花 (きむら きんか)

生年月日:1877年5月16日
大正時代;昭和時代の演劇研究家;劇作家。松竹取締役
1960年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

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