木祖(読み)きそ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「木祖」の意味・わかりやすい解説

木祖(村)
きそ

長野県中西部木曽郡(きそぐん)にある村。木曽川上流で、周囲を山に囲まれた小さな平地に位置する。北は境峠で日本海斜面と境し、JR中央本線の藪原(やぶはら)駅があるほか、藪原高原スキー場方面へのバスも通っており、JRに沿って国道19号もある。藪原宿は江戸時代の中山道(なかせんどう)の宿駅で、漆器や櫛(くし)(お六櫛)の生産地であったが、現在は額縁を中心に、木工業が行われている。藪原は木祖村の中心地で、宿駅のころのようすもすこし残っている。木曽川の源流には味噌川ダムが設けられ、境峠付近は別荘地となっている。面積140.50平方キロメートル、人口2692(2020)。

[小林寛義]

『『木曽のお六櫛』(1975・木祖村)』


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改訂新版 世界大百科事典 「木祖」の意味・わかりやすい解説

木祖[村] (きそ)

長野県中西部,木曾郡の村。人口3134(2010)。飛驒山脈南東端木曾川源流域に位置する。JR中央本線,国道19号線が通る中心の藪原は近世に中山道の宿駅として栄えた地で,本陣脇本陣などが置かれ,特に木櫛(お六櫛)の製造で知られた。村域の大部分山林原野で傾斜地にわずかに開かれた耕地では,冷涼な気候を利用して野菜が栽培され,また牛の飼育も盛ん。近年山林資源と伝統技術をいかして木材・木製品工業が発達している。村の東端の鳥居峠は木曾川と信濃川の分水嶺で,明治中期の国道開通まで中山道の難所として知られた。西部には藪原スキー場,北西端の境峠一帯には別荘地やキャンプ場がある。
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