お六櫛(読み)オロクグシ

デジタル大辞泉プラスの解説

お六櫛

1935年公開の日本映画。監督・脚本:伊藤大輔、原作:正木不如丘、撮影:吉田清太郎。出演:月田一郎、歌川絹枝、山田五十鈴中野英治、田村邦男、夏川大二郎ほか。時代劇。

お六櫛

長野県木曽郡木祖村で生産される櫛。江戸時代、中山道薮原宿で製造が始まり、中山道や善光寺参りの土産物として全国的に知られた。名称の由来は、妻籠の旅籠屋の娘・お六が頭痛に苦しみ、御嶽大権現に願掛けをしたところ、ミネバリという木で作った梳き櫛で髪をとかせば治るとのお告げがあり、それに従って病が治った、という伝説にちなむ。梳き櫛、解かし櫛、飾り櫛、結櫛など多種多様な製品がある。県指定伝統工芸品。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

お六櫛
おろくぐし

女性が調髪に用いる木製のすき櫛の一種。形は角丸形で、材はツゲである。この名のおこりは、江戸時代木曽(きそ)街道藪原(やぶはら)近くに住んでいたお六という娘に由来している。お六が脳を患ったとき、木曽御嶽山(おんたけさん)のお告げでツゲの櫛を挿して全快したが、そのご利益(りやく)にあやかろうと藪原を中心に近辺の茶屋で、木曽名物のツゲのすき櫛が売り出されたという。またお六は、方言でふけのことをオロコというのが訛(なま)ったものともいわれる。いずれにせよ、すき櫛はふけをとるために用いるものであり、木曽にはツゲが多いところから、名物となったものであろう。[遠藤 武]

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事典 日本の地域ブランド・名産品の解説

お六櫛[木工]
おろくぐし

北陸甲信越地方、長野県の地域ブランド。
峰榛や柘植を用いてつくられたすき櫛・とかし櫛。歯挽き鋸を用い手引きでつくられている。名前の由来は妻籠に住んでいたお六という娘にちなむ。頭痛に苦しんでいたお六は、御嶽山を詣でたとき峰榛の木でつくった櫛で髪をすけば治るとのお告げを受け、その通りにしたところ頭痛が治ったという。長野県伝統的工芸品。

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精選版 日本国語大辞典の解説

おろく‐ぐし【お六櫛】

〘名〙 木曾街道藪原の宿(長野県木曾郡木祖村)の名物のすき櫛。江戸時代、享和(一八〇一‐〇四)頃、お六という女が作りはじめて、ひろまったという。ツゲなどで作り歯が細く密で長い。
滑稽本・続膝栗毛(1810‐22)七「このあたり所々にお六ぐしめいぶつあり」

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歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典の解説

お六櫛
おろくぐし

歌舞伎・浄瑠璃の外題。
初演
嘉永4.8(名古屋・若宮芝居)

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世界大百科事典内のお六櫛の言及

【木祖[村]】より

…飛驒山脈南東端の木曾川源流域に位置する。JR中央本線,国道19号線が通る中心の藪原は近世に中山道の宿駅として栄えた地で,本陣,脇本陣などが置かれ,特に木櫛(お六櫛)の製造で知られた。村域の大部分は山林・原野で傾斜地にわずかに開かれた耕地では,冷涼な気候を利用して野菜が栽培され,また牛の飼育も盛ん。…

※「お六櫛」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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