境峠(読み)さかいとうげ

日本歴史地名大系 「境峠」の解説

境峠
さかいとうげ

木祖村と南安曇みなみあずみ奈川ながわ村との境にある峠。標高一四八六メートル。奈川村は昭和二二年(一九四七)まで西筑摩にしちくま郡の内であり、郡境ではなかった。鳥居とりい峠とともに木曾美濃国に属していた頃の美濃と信濃の国境のなごりと考えられる。

宝暦七年(一七五七)の「吉蘇志略」に「池平山。奈川に至る路なり、山上池有り而し今は水涸たり、道途は泥濘なり、其南は鍋破坂と曰ふ、其北は木曾坂と曰ふ、倶に甚だ嶮難なり」とあり、また天保九年(一八三八)の「木曾巡行記」には「細島といふ人家を過て押出沢といふ坂を登り山上に山神の社あり、鍋わり坂といふ。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「境峠」の意味・わかりやすい解説

境峠
さかいとうげ

長野県西部,木祖村松本市の境にある峠。標高 1486m。近世まで信濃と美濃の境と考えられていたことが名称由来。太平洋側に流れる木曾川上流と,日本海側に流れる梓川の支流奈川の分水界をなす。飛騨街道 (木曾街道) が通り木曾谷北半部の開発に大きな影響を与えた。交通路としての重要性は昭和期に入ると薄れたが,周辺にはカラマツの林が広がり,木曾駒ヶ岳乗鞍岳の眺めがよく,多くの別荘地が開かれている。

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