本幕(読み)ホンマク

デジタル大辞泉 「本幕」の意味・読み・例文・類語

ほん‐まく【本幕】

狂言で、揚げ幕を2本のさおで上までいっぱいに、内側へはね上げること。シテワキなどの出入りに用いる。→片幕半幕
歌舞伎の幕で、中央二つに割って左右へ開ける引き幕。上方大芝居に限って用いられた。→片幕
歌舞伎で、幕の開閉方式の一。拍子木を最初緩やかに打ちはじめ、しだいに早めに刻んで幕を引ききったところで一つ打つ。

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精選版 日本国語大辞典 「本幕」の意味・読み・例文・類語

ほん‐まく【本幕】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 家紋をつけた幕。
  3. 能楽で、演者舞台に登場する時、揚幕を高く一杯にあげること。⇔片幕
  4. 歌舞伎の幕で、引幕を中央で二つに割って左右へあける幕。上方の大芝居に限って用いられた。
  5. 歌舞伎で、幕の開閉の方式の一つ。拍子木を初めはゆるやかに打ち、次第に速めに刻んで幕が引かれるもの。

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世界大百科事典(旧版)内の本幕の言及

【柝】より

…せりふや動作の止りでまず柝頭(きがしら)を入れ,気分の持続を見はからいながら,静かに刻み幕にしていく。閉幕時の刻み方にも,ゆっくりと打ち始めしだいに早く刻む〈本幕(ダラ幕)〉と,小さく刻んでしだいに音を高くしテンポをゆるめて刻む〈拍子幕〉とに使い分けられている。また芝居の続行中,チョチョンの軽い二丁をきっかけに,床(義太夫節)の御簾(みす)が上がり,または清元,常磐津連中の囲い(霞幕)がはずされ,演奏が始まる。…

※「本幕」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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