仕手(読み)シテ

デジタル大辞泉 「仕手」の意味・読み・例文・類語

し‐て【仕手/為手】

《「し」はサ変動詞「する」の連用形。「仕」は当て字
あることをする人。やりて。「世話の―がない」
(ふつう「シテ」と書く)狂言主人公の役。また、その演者中入りのあるときは前ジテのちジテとがあるが、同一役者が演じる。→ワキツレアド
(仕手)株式市場などで、投機によって大きな利益を得ることを目的として、大量の売買をする人。仕手筋。「―戦」
[類語]主役

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精選版 日本国語大辞典 「仕手」の意味・読み・例文・類語

し‐て【仕手・為手】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ある特定の動作・作業をする人。また、特務を帯びてこれを執行する人をもいう。
    1. [初出の実例]「天地の間に万物の生滅はしてなし」(出典:清原国賢書写本荘子抄(1530)八)
    2. 「頼みもせぬ使に往たり外に仕人(シテ)のあるをも、事を好でわざわざ己が仕たり」(出典:滑稽本・浮世床(1813‐23)初)
  3. 特定の分野の技術・芸能などの専門家。あるいはそれに優れた人。
    1. [初出の実例]「今の様にては連歌の士手出来する事難有や侍らん」(出典:九州問答(1376))
  4. ( ふつう、片仮名で「シテ」と書く ) 能楽、狂言などの主人公の役。また、その演者。中入りのあるものは前ジテと後ジテがある。また、のちには浄瑠璃、歌舞伎などでも、能楽に準じて用いた。
    1. [初出の実例]「いまだまことの花をきはめぬしてと知るべし」(出典:風姿花伝(1400‐02頃)一)
    2. シテそれも理り今日有て明日なき命もろこ川」(出典:浄瑠璃・源平布引滝(1749)三)
  5. 芝居、踊りなどの演者。
    1. [初出の実例]「仕手(シテ)の心作者の心格別なれば」(出典:役者論語(1776)耳塵集)
  6. 鹿子結(かのこゆい)を作る女工仕手殿
    1. [初出の実例]「是は京鹿子色もよや、〈略〉都のしてたち恋しやのう」(出典:歌謡・松の葉(1703)一・京鹿子)
  7. 市場で、定期売買をする人。一般には、大口の売り手、買い手をいう。また、相場師をさすこともある。〔取引所用語字彙(1917)〕

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