デジタル大辞泉 「片幕」の意味・読み・例文・類語 かた‐まく【片幕】 1 能で、揚げ幕の客席から見て向かって右側を、少し片寄せて出入りすること。囃子方はやしかた・後見こうけん・語り間あいなどの登場・退場に用いる。→半幕 →本幕2 歌舞伎劇場の舞台と客席を区切る幕の一つで、1枚の幕を一方から他方へ引いて開閉するもの。上方かみがたでは中小芝居、江戸では大芝居でも用いた。→本幕 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「片幕」の意味・読み・例文・類語 かた‐まく【片幕】 〘 名詞 〙① 舞台などの幕の片方。幕のはし。[初出の実例]「片幕すこしあぐる、太夫まくのうちにて、腰かけよりおりて礼あり」(出典:わらんべ草(1660)一)② 舞台表面の一方から他方へ引いて開閉する幕。[初出の実例]「京坂は舞台の左右に幕を絞り置き、左右より引て中央にて引合すこと大芝居に限り、中小芝居には片幕也。江戸は大芝居にても片幕也」(出典:随筆・守貞漫稿(1837‐53)三二)③ 能で、鏡の間から橋懸りに出入りする作法の一つ。幕の、客席から見て右側を少し片寄せて出るもの。囃子(はやし)方、後見(こうけん)、語り間(あい)などの出入りの仕方。⇔本幕 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例