東京新田(読み)トウキョウシンデン

デジタル大辞泉 「東京新田」の意味・読み・例文・類語

とうきょう‐しんでん〔トウキヤウ‐〕【東京新田】

明治2年(1869)東京からの入植者によって開拓された下総台地上の土地江戸幕府直轄地だった放牧地に、政府明治維新で失職した武士などを入植させたもの。松戸から佐倉八街やちまた香取まで広範囲にわたる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「東京新田」の意味・わかりやすい解説

東京新田
とうきょうしんでん

千葉県北西部と中部の下総台地(しもうさだいち)上に開拓された土地をいい、1869年(明治2)東京からの入植者によって開拓されたのでこの名がある。開拓地は旧小金五牧(こがねごまき)(松戸市、柏(かしわ)市)と佐倉七牧(成田市、佐倉市)の放牧地であった。明治維新後、政府は職を失った下級武士や奉公人らを救う目的で、東京の豪商に下総牧野(ぼくや)開墾会社を設立させ、江戸時代幕府直轄地であった放牧地跡に入植、開拓させた。厳しい自然条件下にあって離散する者も多かった。佐倉七牧のうちの高野(こうや)牧があった富里(とみさと)市には両国(りょうごく)、武州(ぶしゅう)などの地名が残っている。

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