東釧路貝塚(読み)ひがしくしろかいづか

国指定史跡ガイドの解説

ひがしくしろかいづか【東釧路貝塚】


北海道釧路市貝塚にある縄文時代早期から近世にわたる、14層以上をもつ複合遺跡。とくに縄文時代前期の貝塚としては、北海道内では最大規模。縄文時代前期の貝塚の大きさは、東西120m、南北90mの範囲で大小あわせて11のブロックが確認されている。厚さ1m前後の貝層はアサリが全体の70%を占め、その他、カキ、オオノガイに加え、暖海性のアカガイ、シオフキなども含まれている。トド、アシカなどの海獣類や魚類、鳥類などの骨、また、押型文土器も出土している。貝層中にはイルカの頭骨を放射状に配列したり、トド、犬を埋葬した跡があるなど、宗教性をうかがわせる面も見られる。下層からは縄文時代早期の小貝塚、土器および多数の屈葬人骨が出土している。1970年(昭和45)に11地点の貝塚が国指定史跡となり、1976年(昭和51)にはさらに遺跡の範囲が確認され、追加指定されている。JR根室本線東釧路駅から徒歩すぐ。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

世界大百科事典内の東釧路貝塚の言及

【祭祀遺跡】より

… 狩猟祭祀の遺跡としては,ヨーロッパ旧石器時代の壁画洞窟・岩陰が顕著な存在であって,獲物の身に槍がささった状況を表す表現があるだけでなく,踊りまわったネアンデルタール人たちの足跡が床面に鮮明に残っている遺跡(フランスのテュク・ドードゥベールTuc d’Audouber洞窟,後期旧石器時代)もある。洞窟内にクマの頭骨を集積した実例(スイスのドラッヒェン洞窟Drachenloch)は,日本の縄文文化の,イルカの頭骨を半円形に配したもの(釧路市東釧路貝塚),イノシシ(幼獣が多い)の下顎骨のみ118頭分を穴に埋めたもの(山梨県金生(きんせい)遺跡),オホーツク文化のクマの頭骨を祭壇上に集めたもの(網走市モヨロ貝塚)と同様,狩猟祭祀との関連が説かれている。 農耕祭祀にかかわるものとしては,西アジアの初期新石器時代の集落に,独立した建物(パレスティナのイェリコ遺跡),あるいは建物の一部(トルコのチャタル・ヒュユク遺跡)が祠堂として使われたものがある。…

※「東釧路貝塚」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

関連語をあわせて調べる

今日のキーワード

ABM

弾道ミサイル迎撃ミサイル。大陸間弾道ミサイルICBMや潜水艦発射弾道ミサイルSLBMを早期に発見・識別し,これを撃破するミサイル。大気圏外で迎撃するものと,おとりなどの識別が可能となる大気圏内で迎撃す...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android